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福岡・博多の賑わいの原点とは?昔と今を探る歴史旅 後編

前編では博多の賑わいの原点を探るため博多旧市街エリアを巡っていきました。後編では、古くから日本の玄関口として、国際交流の窓口の役割を果たした福岡城エリアを巡ります。

福岡城むかし探訪館
まずは城の見どころをチェック!福岡城跡をバーチャルで学ぼう!

今回、福岡城エリアを周るために福岡城むかし探訪館・鴻臚館跡展示館 館長の松崎勝美さんにお話しを伺いながら、見どころを巡っていきます。

福岡城むかし探訪館・鴻臚館跡展示館 館長 松崎勝美さん

福岡城跡に着くと、すぐに城跡に入ってみたくなるかもしれませんが、ぐっと逸る気持ちを抑えましょう。まず、向かうのは「福岡城むかし探訪館」。精巧に作られた福岡城の再現模型や床一面に広がった城下町の古地図などを通して、かつての様子を体験できる施設です。

再現模型や古地図の他にも、城主であった黒田長政と父、官兵衛の物語や、在りし日の福岡城を再現したビデオなどがあり、様々な角度で福岡城が紹介されています。

福岡城跡は広く、城散策を楽しむためには最適ルートを把握することも重要です。まずは、再現CGや模型から城の構えや全貌をイメージしながら、散策に出かけましょう!

❖福岡城むかし探訪館

福岡城むかし探訪館

  • 大濠・六本松エリア

平成24年4月、福岡城跡にオープンした「福岡城むかし探訪館」。黒田如水・長政親子が築いた「福岡城」の歴史と魅力を紹介する施設です。「時空のバーチャルムービー」では、昔の福岡城をCGで再現!迫力あるリアルな映像は圧巻で、風格ある福岡城の勇壮な姿を映し出します。映像の中には、いまだ存在が謎に包まれている福岡…

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福岡城
天守台や石垣から今と昔を想像しよう!

「福岡城」は、江戸時代に築城され、九州でも有数の規模を誇った巨城でした。今となっては、さまざまな入口がありますが、当時は上之橋、下之橋、追廻橋の三つの橋を入口に、城全体を堀と石垣で囲まれた城の構えとなっていました。上之橋と下之橋の間の広い堀からも分かるように、城のスケールが今に伝わっています。城の正面玄関にあたるのが、藩主が参勤交代などで通過した上之橋御門跡、門の周辺には今でもよく保存された立派な石垣が残っています。

上之橋御門跡

福岡城は、大河ドラマにもなった軍師・黒田官兵衛と、関ケ原の戦いで戦功をあげ、52万石を得た、息子・黒田長政が慶長6年(1601)から7年の歳月をかけて築きました。城の堅固な構えや、堀の配置、石垣からも「さすが官兵衛」と言わせるほど名城だったようです。

松崎館長は城を見るポイントとして「石垣の形状や大きさ」に注目すると面白いと教えてくださいました。写真の東御門跡横の石垣の一部に使われていた巨石は「鏡石(かがみいし)」と言われていて、城主の権力を示すためのもののようです。他にも石垣を作るための石を割ったあと「矢穴」と呼ばれるクサビの跡が石垣の随所で見られました。

(左)東御門跡の鏡石、(右)クサビ跡

ひと際新しいこの階段は「扇坂」と呼ばれ、2023年から始まった園内整備の一環で、2024年に入って完成されました。駅のロータリーにあるような現代的な階段は、わたしたちにとっても馴染みやすい造りに見えます。築城初期からあったとされ、その名の通り扇を広げたような形で再現されたそうです。このように福岡城では保存や整備を進めていて、元来の城の姿に近づいて魅力ある場所になっています。

扇坂の写真

梅や桜の名所としても有名な福岡城は、季節や時間帯、場所により異なる表情を見せます。特に展望台になっている天守台からは福岡のシンボルである福岡タワーやPayPayドームも見渡せる絶景スポットにもなっています。松崎館長は「石垣ひとつとっても、場所に合わせた造りになっていたり、その時代にできた石工(いしく/石垣職人)の痕跡を探すのも楽しみのひとつ」だと語ってくれました。名所の意味や歴史を学び、城の本当の姿を見ることで江戸の情景に思いを馳せながら、今の福岡と照らし合わせてみると楽しい城散策になるかもしれません。

(左)表御門跡からの景色、(右)天守台からの眺め

また、今年度は3月27日から開催される福岡城さくらまつりに合わせて、ライトアップされた「幻の天守閣」が登場します。福岡城と桜の花が共に照らされる光景は必見です。また、6月17日(予定)までは、福岡城天守台への立ち入りが制限されます。ご確認のうえお越しください。

幻の天守閣イメージ

❖福岡城

福岡城跡

  • 大濠・六本松エリア

初代福岡藩主・黒田長政が、慶長6年(1601)から7年がかりで築城。平山城で、大中小の各天守台と約50の櫓があった。現在は多聞櫓(国の重要文化財)、(伝)潮見櫓、下之橋御門、祈念櫓などが保存され、大天守台は展望台になっている。堀には県指定天然記念物のツクシオオガヤツリが自生し、城内には万葉歌碑もある。国指定…

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【幻の天守閣ライトアップ】
期間:2024年3月27日(水)~2024年5月31日(金)まで
場所:福岡城天守台

鴻臚館
遣唐使も立ち寄った古代外交の玄関口

福岡城跡には、古代日本の迎賓館であった鴻臚館の遺構や出土した陶磁器などを展示している鴻臚館跡展示館があります。「鴻臚館」とは飛鳥・奈良・平安時代の外交施設で、唐や新羅の外交官や、渡海する前の遣唐使などの使節団が滞在した場所となっていました。

来日した人たちは、京に上る許可が出るまで、この鴻臚館で過ごし、その間の滞在部屋とされていた宿坊は一部復元された状態で見ることができます。

復元された宿坊

出土した遺物は、シルクロードを渡ってきたものや、中国や朝鮮半島で生産された陶磁器など、時代も国も様々で貴重なものばかり。松崎館長がおすすめポイントとしてあげていただいたのは、色鮮やかな美しい陶磁器(青緑釉陶器壺)や古代の枕(三彩印花鴛鴦文陶枕)といった貴重な遺物です。他にも荷物の札として使われていた荷札(木簡)は再利用され、トイレットペーパー(籌木)として使用されていたのには驚きです。歴史に詳しくない方でも時代を感じ、見ることができるのも展示館の楽しみ方のひとつだそうです。

(左)三彩印花鴛鴦文陶枕、(右)陶磁器

教科書に出てくる遣唐使なども滞在した場所でもあります。本格的に日本と海外の交流が始まった国内随一の場所でもあります。学生の頃の記憶を頼りに展示パネルを読み解けば、きっと有意義な来館になるのではないでしょうか。

❖鴻臚館跡展示館

鴻臚館跡展示館

  • 大濠・六本松エリア

◎鴻臚館跡展示館(福岡市中央区城内1)の改修工事等のため,下記のとおり一時休館します。ご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。【休館期間】令和3年2月14日(日曜日)から令和3年3月5日(金曜日)まで【問合せ先】文化財活用課 092 ‐ 711 - 4666「鴻臚館」とは、飛鳥、奈良、平安時代に築かれた外交のための迎…

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まとめ

今回は福岡・博多の賑わいの原点を探ってきました。福岡・博多の繁栄は、異国からの商人や文化の交流、今に受け継いできた人たちによって支えられています。福岡を訪れる際には引き継がれた伝統や歴史に触れながら、福岡・博多の新しい魅力を見つけてみてください。

★もっと読みたい:福岡・博多の賑わいの原点とは?昔と今を探る歴史旅 前編

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