【新規参入屋台3期生 vol.1】地域直送の食材がそろう!九州の恵みを味わえる"ご当地屋台"
2022年1月20日2020年10月から、3度目の屋台営業候補者公募が行われ、5軒の屋台が新たにオープンしました。【vol.1】では、九州の名物・郷土料理がテーマ。福岡だけでなく、鹿児島、長崎の名物料理が味わえる2軒をご紹介します。
博多でかごっま屋台 酔っき~ (天神)
ばらかもん (天神)
2021年10月4日オープン
鹿児島直送の食材がそろう「博多でかごっま屋台 酔っき~」
黒豚、黒牛、桜島鶏! ブランド肉の宝庫・鹿児島県が誇る名物料理を味わえるのが、鹿児島県出身の山之内頼文さんが営む「博多でかごっま屋台 酔っき~」です。
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福岡に住む鹿児島出身の人が集まることも多く、博多弁や鹿児島弁が飛び交う店内はとってもにぎやか
「イチオシは僕の生まれ故郷、姶良市で食べられている黒豚のあご肉を使った料理です」と山之内さん(愛称・よっきーさん)が出してくれたのがこちら。ジュージューと美味しそうな音を立てながら登場した「あご肉焼き」です。
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「あご肉焼き(小)」(780円)しっかり濃い味のあご肉×シャキシャキモヤシにビールが進む
「あご肉」とは豚のこめかみ部分のこと。脂が少なくやわらかい肉質が特徴で、姶良市ではよく食べられているそうです。
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「鹿児島の人と話すとついつい訛りが出ちゃうんです」と親しみやすい店主・よっきーさん
「僕の地元ではバーベキューのときには必ず用意されるお肉なんです。あまりに身近にあり過ぎて『ご当地グルメ』だと気が付かなかったんですが、数年前のイベントでB級グルメとしてこのメニューを開発しました」
塩コショウとニンニクで味付けし、18時間漬け込んだあご肉をモヤシと炒め、キャベツと一緒に鉄板にのせたオリジナルメニュー。仕上げにカツオ出汁を注ぐことでキャベツを蒸し焼きにしています。
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芋焼酎(水・お湯・お茶・ソーダ割り300円~、左上)、「さつま揚げ」(¥480、右上)、「桜島鶏からあげ」(650円、左下)、おでん(150円~、右下))
ドリンクメニューはビール、ハイボール、サワー、ソフトドリンクの他、姶良市の「白金酒造」から仕入れる芋焼酎を約15種類そろえます。
焼酎にぴったりのおつまみは「さつま揚げ」。よっきーさんが「ここはうまい」と自信を持って提供できるものを鹿児島から取り寄せ、オーダー後に揚げてアツアツを提供しています。
その他、枕崎産のカツオ節で出汁を取ったおでん、桜島鶏のムネ肉にショウガとニンニクで下味をつけ、クミンを隠し味に使ったから揚げなど鹿児島の豊かな食材を使ったメニューを20種以上ラインナップ。「鹿児島県産黒毛和牛の天ぷら」(1200円)や「鹿児島特産のスナップエンドウ」(480円)などここに来れば鹿児島の名物&旬の幸が楽しめます。
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「カウンター越しに人生の深い部分を語り合える」と屋台の醍醐味を語る店主
よっきーさんの夢は、2020年末に閉村した「鹿児島屋台村」を復活させること。
「九州のリーダー都市・福岡で屋台文化を学んで、僕が生まれ育った鹿児島に恩返しがしたいんです」
鹿児島名物をふんだんに味わえるこの屋台なら、仕事帰りにちょっとした旅行気分を味わえそうです。
博多でかごっま屋台 酔っき~
個別紹介ページ
住所:福岡市中央区天神2-13-1(福岡銀行本店前)
電話:090-8919-0286
営業:18:00~24:00
定休日なし※雨の日、風の強い日は休み
Instagram:kagonmayatai_yocky
2021年10月1日オープン
長崎県五島のあごだしラーメンが名物「ばらかもん」
「ここに来てくれたら絶対、笑顔にします!」 長崎県五島市出身、31歳の帆本秀生さんが営むのが屋台「ばらかもん」です。帆本さんは18歳で上京し、プロカメラマンに弟子入りしたという変わった経歴の持ち主。
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店主・帆本秀生さん。カメラの仕事は4年で切り上げ、22歳で福岡の名店「博多らーめん shinshin」に入店
「人生一度きり、やりたいことは全部やろうと思ったんです。カメラマンと飲食店、この二つが僕の10代からの夢でした」
カメラマンに弟子入りしたときは月給1万円、アルバイトを3つ掛け持ちし、睡眠時間は1~2時間だったと言います。
「きついとか、辞めたいと思ったことはないですね。好きなことしかやってこなかったから。やっぱ、好きなことするのが一番ですよ!」
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暖簾には古くから五島に伝わる民芸品「五島ばらもん凧」をデザイン
店名の「ばらかもん」とは五島の言葉で「元気者」の意味。
「飲食店をやるのは中学生のときからの夢だったんです。そのときから店名は『ばらかもん』に決めてました」
名物は「アゴだし豚骨ラーメン」(750円)。新上五島町から取り寄せた焼きあごで出汁をとり、豚骨スープと醤油だれをプラス。鶏油(チーユ)で旨みを足すことで、あっさりしながらもコクのあるスープに仕上がっています。極細のちぢれ麺がスープと絡み、最後の一滴まで飲み干したくなる一杯です。
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極細のちぢれ麺がスープに絡み、最後の一滴まで飲み干したくなる「アゴだし豚骨ラーメン」
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おでん(100円~、左上・右上)、焼き鳥のハツ、つくね、やげん軟骨(150円~、左下)、「牛すじ煮込み」(500円、右下)
おでんの出汁にも焼きあごを採用しています。
「おでんはあっさりと澄んだスープにしたいので、焼きあごのはらわたは取っています。反対にラーメンは、はらわたもそのまま使ったほうがパンチのある味になるので、丸ごと出汁を取っているんですよ」
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この店がきっかけで「五島に興味を持ったり、行ってみたいと思ってくれたら嬉しい」と帆本さん
帆本さんの夢はベトナムで起業すること。今まで留学や就労で来日した若者と一緒に働くことが多く、生い立ちを聞いていく中で心を動かされたそうです。
「ベトナムの若い子たちが日本に来てお金を稼ぐ手段には限界があるんです。苦労して日本に来て一生懸命働きながら学んでいるんだけど、やっぱり生活は苦しい。そんな子たちを現地から応援するためにベトナムで起業できればと考えています」
夢を語る帆本さんは「ここまで来れたのは本当に周りのおかげ。ありがたいです」と周りの方への感謝も語ってくださいました。ちょっと疲れたときや落ち込んだとき、人と話したくなったときには、明るい”ばらかもん”が集まるこの屋台に立ち寄ってみてくださいね。
ばらかもん
個別紹介ページ
住所:福岡市中央区天神2-13-1(福岡銀行本店前)
電話:なし
営業:18:00~翌2:00
店休日:月曜・木曜