老舗でもクレジット払いに対応!屋台「那須乃大八」のコワモテ大将に聞く
2018年6月19日天神の一等地にある屋台「那須乃大八」は、VISAやJCBなど各種クレジットカードのほか、楽天の決済サービス「楽天ペイ」も導入した、天神初の屋台。この場所で営業を続けて25年、ちょっぴりコワモテながら、話してみるととっても優しい大将・阿高正美さんに、お店のこと、お客さんのことを聞いてきました。
「改めて屋台はいいなぁって、感じてるとこです」
—こんばんは。那須乃大八さんは、天神の屋台で初めてキャッシュレス払いに対応したとして報道もされ、注目を浴びましたね。どんな経緯で導入を決めたんですか?
阿高:以前、たまたまダイレクトメールか何かで、ITを使ったキャッシュレス決済サービスの紹介を見て、「へぇ〜こんなことできるんや」と興味持ったの。それからしばらくして、決済サービスの導入を進める営業さんが回ってきたから、相談してみたら、それほど難しくなさそうだし、便利だし、「やってみるかね」と思って。
—希望するお客さんの声が多かったとか?
阿高:うちは、屋台とは別に大名に飲食店も持ってて、そっちではクレジットカードに対応してたの。するとさ、結構使う人が多いんだよね。うちとしては手数料取られちゃうけど、現金を持ってないお客さんでも気軽に入れるから、プラマイゼロって考え方。あんまり細かいことは気にしないで、お客さんにとって良い方を選びたいね。屋台は外国人のお客さんも多いから、クレジットが使えるって書いてあるだけで、入りやすいからね。
—新しいサービスを取り入れるのに抵抗はなかったですか? 機械を扱うのが苦手とか。
阿高:苦手意識はあったけど、今は機械の方もどんどん便利になってるから。慣れてくれば、難しくはないよ。サインをもらわなきゃいけないとなると煩雑だけど、今は暗証番号でOKだし。「屋台らしさ」は残しながらも、便利にできるところは変えていきたいね。
—大将が考える「屋台らしさ」って何ですか?
阿高:今は回転率を気にして、効率よく営業してる屋台も増えたけど、うちは昔から来てくれる常連さんのための屋台だと思ってるから。ゆっくりしていって、楽しんでくれれば嬉しかね。屋台って、お客さんとの会話が楽しいでしょ。初対面でも仲良くなれるのは、屋台だけかなって。お店で飲んだって、隣の人と話したりしないもんねぇ。しばらく屋台を離れてたけど、最近また店に立つようになって、改めて屋台はいいなぁって思っとるとこよ。
「気取ったものは何もないけど、うまかよ」
—ではおすすめメニューを教えてください。
阿高:うちは、凝ったものはないよ。ラーメン、焼き鳥、おでんくらい。でも、一個ずつこだわってるけんね。焼き鳥はガスじゃなくて炭火で焼いてるし。特にバラとさがりがおすすめ。ラーメンは、スープの出汁をあばらの骨からとっているので、あっさりめ。関西とか関東出身の人なんかに人気だね。外国からの観光客も喜んでくれるとよ。
—昔と比べて、来るお客さんは変わりました?
阿高:うん、変わったねぇ。海外からの人が来るようになったし、卒業旅行の学生さんも増えたね。今ではJTBのツアーにまで屋台が組み込まれてるんだから。女性のお一人様も多いよ。お客さん同士で会話が弾むなんてしょっちゅう。
—観光客や海外からのお客さんも増えている中、気になるマナー違反などもありますか?
阿高:うるさいことは言いたくないけど、大人数で来てラーメン1杯しか頼まずに、替え玉を全員で分け合って食べるのは、ちょっとやめてほしいね。1人1杯頼んで、足りなかったら替え玉してくれればいいんだから。うちは替え玉100円、安いよ。
―これから、屋台をどんな風にしていきたいですか?
阿高:そんな立派な目標とかはなくてさ。自分が元気に働けるとこまで、この「那須乃大八」を続けていきたいよね。会話や食事を楽しめる、博多の古き良き屋台を、いつまでも守っていけたらなって思ってます。
―本日はどうもありがとうございました!
長いあいだ店舗と屋台を営み、常連さんたちのにぎやかな会話を聞きながら、炭火でじっくりと焼き鳥を焼き続けてきた大将。実は最新のキャッシュレス決済にも積極的に対応し、いつもお客さんの使いやすさを考えている人でした。ほっとできる天神のオアシス「那須野大八」の、のれんをくぐってみてはいかがですか?