Progressive Baroque LIVE in FUKUOKA 2024 — 17世紀イタリア新音楽とスペイン黄金世紀の深音楽 —【あいれふホール】2024年
2024年12月4日 天神・薬院エリア海外や東京を拠点に活躍する演奏家を迎え、福岡・九州を拠点に活躍する演奏家との夢の競演!
17世紀イタリア新音楽とスペイン黄金世紀の深音楽をお楽しみください!
2024年12月4日(水曜日)、あいれふホールを会場に、バロックコンサート「Progressive Baroque LIVE in FUKUOKA 2024 — 17世紀イタリア新音楽とスペイン黄金世紀の深音楽 —」が開催されます。
海外や東京を拠点に活躍する演奏家を迎え、福岡・九州を拠点に活躍する演奏家との夢の競演。17世紀イタリア新音楽とスペイン黄金世紀の深音楽を、心ゆくまでお楽しみください!
出演者
・古橋 潤一(リコーダー)
桐朋学園大学音楽部古楽器科卒業。第30回ブルージュ国際古楽コンクール入選。日本の主要古楽器アンサンブルのメンバーとして音楽祭、演奏会に出演。CDの録音にも多数参加している。17世紀イタリア・スペインの音楽を主に演奏するアンサンブル、メディオ・レジストロ主宰。また、その時代の楽譜の出版も手掛けている。CD『メディオ・レジストロ』『スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック』リリース。2017年にはスペイン大使館にて演奏会を開催し好評を博した。また、2023年には松竹制作の舞台「陰陽師 生なり姫」の音楽監督、編曲、演奏などをつとめ、活動の幅を広げている。桐朋学園大学古楽器科非常勤講師。
・神野 和美(リコーダー)
桐朋学園大学古楽器科・リコーダー専攻。花岡和夫氏に師事する。その後、ハンガリーへ留学。リスト音楽院・ELTEブダペスト大学教育学部音楽科にて、合唱指揮をカタニチ・マリア氏に、ソルフェージュ教授法をサボー・ヘルガ氏に学ぶ。また、在学中ハンガリー語国家試験にも合格。帰国後、古楽器の演奏活動のほか、リコーダー・合唱・わらべうたからの教育全般の指導に当たっている。各地の幼~大学まで出張講義やコンサートも行っている。子どもの遊びの学校「わらべ草子」、リコーダーアンサンブル「レッフェル」主催。古楽アンサンブル「アンサンブル・カプリッチオーゾ」メンバー。
福岡音楽学院理事、全音・鈴木楽器講師。平成音大講師。プラトン音楽院代表。
教育の分野では、特にコダーイの理念である、わらべうたからの子どもの教育に関心を持ち、全国各地に講演や講座に出向いている。遊びの施設「あそびたいけんミルキーウェイ」の乳幼児講師たんぽぽスタッフ運営事務局長、わらべうた指導者養成セミナー講師(福岡コダーイ芸術教育研究所主催)、国際コダーイ協会会員、日本コダーイ協会会長。
・川久保 洋子(ヴァイオリン)
東京出身、フランスリヨン在住。室内楽やオーケストラで多彩に活動するだけでなく、自身のアンサンブルEnsemble Les Timbres(レ・タンブル)ではブルージュ国際古楽コンクール優勝、リリースしたCDは次々とフランス音楽誌Diapasonで金賞を受賞、その他にもミニオペラ、スペクタクルコンサートなど幅広いプログラムを展開してヨーロッパ各地で演奏活動をしている。
2006年よりGli Incognitiのメンバー、Ensemble Pygmalion、Le Caravansérail、El Gran Teatro del Mundo、Le Poeme Harmonique、Bach Collegium Japan、Medio Registro、Ensemble Marquiseなど国内外で活動。
2021年よりリヨン地方音楽院の教員となる。桐朋学園、東京芸術大学、フランス国立リヨン高等音楽学院出身。
・森川 麻子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
桐朋女子高等学校音楽科にてヴァイオリンを徳永二男氏に、同大学古楽器科ではガンバを中野哲也氏に師事。オランダのハーグ王立音楽大学でW.クイケン氏に師事しディプロマを取得。ドイツ国立ブレーメン芸術大学でバロックヴァイオリンを学ぶ。英国のガンバコンソートグループ FRETWORK のメンバーに迎えられ、古楽及び現代音楽を世界各地で演奏、録音。各地の講習会にて指導。ケント州に「Folkestone Early Music」を設立。2022年春帰国。東京芸術大学非常勤講師。
・小貫 詠子(チェロ)
都立芸術高等学校を経て東京藝術大学卒業。
同大学大学院修士課程修了。在学中、室内楽定期演奏会オーディション合格。(旧)ドイツ国立アウグスブルグ・ニュルンベルグ音楽大学卒業。
室内楽に於いて松尾音楽奨励賞、リゾナーレ音楽祭にてマイカル賞授与。
オホーツク音楽祭、湯布院音楽祭に出演。
大竹しのぶ主演の舞台「エディット・ピアフ」のチェロを担当。
チェロを向山規矩子氏、河野文昭氏、マルクス・ワーグナー氏に師事。
現在、埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科チェロ講師。バンベルク東京カルテット、フィオーリカルテットのメンバー。
・能登 伊津子(オルガン)
桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒業。グレゴリオ音楽院オルガン本科、専攻科卒業。オルガンを鈴木雅明、岩崎真実子の各氏に師事。1994年白川イタリアオルガン音楽アカデミーに於いてピストイア賞受賞、翌年イタリアピストイアオルガン音楽アカデミーに招待される。同アカデミーに於てL.F.タリアビーニ、J.L.ウリオールの各氏に師事。1998年スペイン政府より奨学金を得てダローカ国際古楽アカデミーに参加。オルガン、チェンバロ奏者として、数多くの演奏会に出演している。初期イタリア、スペインバロックをレパートリーとするアンサンブル『メディオ・レジストロ』のメンバー。CD『メディオ・レジストロ』『スパニッシュ・プログレッシヴ・バロック』(レコード芸術誌 準特選盤)をリリース。
・HAMA(パーカッション)
バリ・ガムラン、アラブ・パーカッション奏者。ガムランを皆川厚一、パーカッションを和田啓に師事。
「架空の南の島のお祭り音楽」をテーマに国内外で話題の「滞空時間」、YOSHIMIO(OOIOO)ヨシダダイキチ(シタール奏者)との「SAICOBAB」、中東打楽器トリオ「スーパージンギスカンズ」、内田智一(バリトン)田村賢太郎(アコーディオン)との「サンミツ」などで活躍中。
劇団四季ミュージカル「南十字星」のガムラン演奏指導及び楽曲アレンジ、NODA・MAP第22回公演「贋作 桜の森の満開の下」劇中曲、2022年杉原邦生演出「血の婚礼」など舞台芸術への参加も多い。民族音楽や古典という枠にとらわれず活動し、高い評価を得ている。
出演者:古橋 潤一氏からのご挨拶
Progressive Baroque LIVE in FUKUOKA 2024。この演奏会も今回でついに3回目。毎年続けて演奏会を主催してくださるメディアファイブには感謝しかない。
このシリーズで演奏されてきた主に17世紀の音楽。とりわけスペインの音楽は、日本では演奏される機会が大変少ない演目だ。また、イタリアのバロック音楽も18世紀のものは演奏されることも少なくないが(例えばヴィヴァルディなど)それが17世紀になってくると、同じバロック時代の括りではあるものの、耳にする機会はぐっと少なくなる。
そんな時代の音楽を、特にマニアックにバロックを聴いている人たち以外に知ってもらいたいと、グループを組んで演奏活動をしてきたわれわれだが、もう数十年にわたる啓蒙活動も虚しく、ファン層が広がる気配は見えない。そんな中、こういった曲目での演奏会を主催してくださるメディアファイブが、どれほど私たちに希望を与えてくれているかはここに書き記すことはできないだろう。
さて、われわれのグループのことや、このシリーズの概要のような紹介は、昨年の2023年12月4日に開催した「Progressive Baroque LIVE in FUKUOKA 2023」特設ページに書いたものがほとんどすべてだ。今年初めてこのシリーズのことが目に留まった方は、ぜひ一度、そちらを読んでみていただきたい。
そして、毎年少しずつ更新されている僕たちの演奏の、今年の聴きどころはというと、まずうちのバンドのゲストとしては福岡に初上陸の二人であろう。
まず、ヴァイオリニストの川久 保洋子さん。彼女は僕が初めて母校の非常勤講師になった年に、試験で演奏を聴いて一目惚れした方である。まだ学生だった彼女を食べ物で釣って(?)ウチのバンドにスカウトした。今ではフランスを中心に世界で活躍する素晴らしいヴァイオリニストである。
フランス在住の彼女を自分たちの演奏会のために招聘して弾いてもらうだけの財力は、僕にはないため、時々彼女が日本に来ている時を見計らって、時間が許せば一緒に演奏会で弾いてもらっている。
今回はどうしても福岡での演奏会に参加してもらいたくて、タイトなスケジュールの中、参加してもらうことになった。僕が最も信頼するヴァイオリニストの一人なので、一緒に演奏することをとても楽しみにしている。
演奏会なので、耳でも楽しんでいただきたいのだが、彼女がヴァイオリンを弾く姿がとても美しいため、(バロックヴァイオリンは楽器を顎で挟まず、鎖骨の辺りで上手く固定して弾く)バロック時代の絵にあるような弾き姿を目でも楽しんでいただきたいと思う。
つぎに、ヴィオラ・ダ・ガンバ弾きの森川 麻子さん。彼女は実は大学時代のほぼ同期で、学生時代から大変素晴らしい腕前の方だった。私は劣等生だったので、結局学生時代には授業などでもほとんど一緒に演奏する機会はなかった。
その後彼女は留学し、海外でも大活躍。ずっとイギリスに住んでいたのだが、数年前に東京藝大の古楽器科の講師に就任するため(だけではないかもしれないが…)に帰国し、拠点を日本に移した。
そうとなれば、一度はお手合わせを願いたいと思い、昨年の春に初めて仕事を依頼したのだが、やはり素晴らしい腕前は衰えるどころか、さらにさらに磨きがかかっていて、初めてのリハーサルの時は、思わず聴き惚れてしまった。
ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器は、名前に聞き覚えがない方もいらっしゃると思うが、見た目は小さめのチェロのような弦楽器である。僕らのようなアンサンブルの中では、多くの場合低音を受け持つことが多いのだが、今回は「トレブル」というヴァイオリンくらいのサイズの楽器も弾いていただくことになっている(むしろトレブルの方が曲数が多い)。初めての方は遠くから見るとヴァイオリンを縦にして、膝に挟んで弾いているように見えるかもしれない。そのような部分では、こちらも目で見ても楽しめるかもしれない。
そして、今年のリコーダーのゲストは、福岡在住の神野和美さんにお願いした。彼女も森川さんと同じく、私の大学時代のほぼ同期である。私がメディアファイブとの縁で福岡で演奏させていただくようになってから、いろいろとお世話になっているのだが、当然リコーダーの腕前も間違いのないところ。きっと息の合う演奏になることだろうと今から楽しみにしている(今回は諸事情あって彼女の出番は少々少なめなのだが…)。
このように、見どころがたくさんある今年の演奏会だが、もちろん耳でも楽しんでもらいたいと思っている。「バロック音楽ってこういう感じだよね」という固定概念を覆すのが私たちの理想だ。
プログラム
・Salamone Rossi : Sonata in Dialogo detta la Viena/サラモーネ・ロッシ:対話によるソナタ「ラ・ヴィエナ」
・Tarquinio Merula : Ballo detto Pollicio/タルクィーニオ・メールラ:ポリーチオのバッロ(踊り)
・Francesco Cavalli : Canzon a3/フランチェスコ・カヴァッリ:3声のカンツォン
・Antonio de Cabezon : Romance “Para quien crie yo Cabellos”/アントニオ・デ・カベソン:ロマンセ「誰のために髪を長くしたのか」
・Juan Cabanilles : Batalla Inperial de quinto tono/ファン・カバニーリェス:第5旋法による「皇帝の戦い」
・Francisco Crrea de Arauxo : Quinto Tiento de medio registro de tiple de septimo tono/フランシスコ・コレーア・デ・アラウホ:ソプラノの分割ストップのための第7旋法による5番目のティエント
・Juan Cabanilles : Tiento de contras de primero tono/J.カバニーリェス:第1旋法の足鍵盤付きティエント
・Dario Castello : Sonata decimaquinta/ダリオ・カステッロ:ソナタ第15番(新しいソナタ集第2巻より)
・Anonimo : Xácara de 1 tono/作者不詳:ハカラ
・Giovanni Antonio Pandolfi Mealli : Sonata terza La Melana (op.3)/ジョヴァンニ・アントニオ・パンドルフィ・メアッリ:ソナタ第3番「ラ・メラーナ」
・Tarquinio Merula : Canzone L’Ara/タルクィーニオ・メールラ:カンツォーネ「ラーラ」
・Juan Cabanilles : Tiento de contras de quarto tono/J.カバニーリェス:第4旋法の足鍵盤付きティエント
・Giovanni Battista Buonamente : Ballo del Gran Duca/ジョヴァンニ・バッティスタ・ブオナメンテ:大公
※プログラムは予告なく変更となる場合がありますので、ご了承ください。