タクシー事業 福岡交通の取組み

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お客様のニーズに応える、
タクシーの枠を超えるおもてなし

福岡市東区に本社のある福岡交通株式会社は、乗務員約320名を抱えるタクシー会社です。
以前から観光タクシーにも力を入れている同社の、
近年の観光客の利用状況や変化、取り組みなどについてお話を伺いました。

年間1000件の観光タクシー依頼

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現在、福岡トップクラスの車両台数(約600台)を誇る福交無線グループに加盟する福岡交通では、10年以上前から、乗務員が観光地を案内する観光タクシーに力を入れています。また昨今のインバウンドの増加に伴い、外国人向けの観光タクシー需要も年々増加傾向にあります。
2024年と2025年は2年連続で年間1000件以上の観光タクシー利用がありました。コロナ禍中の2021年が約200件だったため、5倍も伸びたことになります。ジャンボタクシーでの観光件数も含めるとさらに大きな数字になります。

観光タクシーというのは、タクシー乗務員が観光ガイド役も兼ね、貸切料金で自由に観光地を巡れるサービス。モデルコースとして決まったルートを案内するものもあれば、お客様のリクエストに応えるケースもあります。最近最も人気がある訪問先は糸島と太宰府だそうですが、インバウンドに絞ると、八女の茶畑や篠栗の涅槃像なども多くの外国人を惹きつけているそうです。


観光研修と外国語ドライバーの存在

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観光タクシーの乗務員になるためには、会社が定めた基準をクリアしなければなりません。必須となるのが、観光地についての知識です。そのため、3カ月に1回程度の頻度で、福岡県内の主要観光地を訪ねて、専門のガイドさんの案内を聞く実地研修を行っています。

また、福岡交通には外国語でのコミュニケーションができる乗務員も複数在籍。海外在住経験のある方や、前職が通訳だった方など、ネイティブスピーカー並みの会話ができるため、外国人利用の多いホテルなどからは、ドライバーご指名で配車依頼があるほど。
現在在籍している外国語対応乗務員は、英語が6人、中国語と韓国語がそれぞれ2人ずつ。片言ならば喋れるという方まで入れるともう少し増えます。今後はさらに需要が増えると見込んでいるため、喋ることは無理でも、スマホの翻訳アプリなどを上手に使いこなせる乗務員も増やしていきたいと考えているそうです。


予約はホームページやアプリから

同社の観光タクシー利用状況を見ると、インバウンドでの利用最多国はアメリカ/カナダ(※居住地が判明しているデータ内において)ですが、一般のタクシー利用者で見ると韓国の旅行者が最多となります。韓国の配車アプリ「カカオタクシー」は日本の「GO」アプリと自動連携するため、福岡交通にも韓国の方の直接予約がGOアプリ経由で入ってくるそうです。カカオ社の利用状況データを見ても、日本においては、福岡での利用が一番多いのだとか。
そのほか、オプショナルツアー予約サイトの「VELTRA」によるオンライン予約も1年間で100件増加するほど急伸。また、海外客向けに市内主要ホテルに設置してもらっているチラシのQRコードから、福岡交通の公式ホームページにアクセスしての予約も増えています。ホームページの英語版には、観光地の写真や九州地図を多用した観光タクシーの案内ページを設け、メールフォームで直接予約依頼ができるようになっています。
さらに日本人観光客向けには、タクシー観光におすすめの福岡県内の観光ガイドブックを独自で作成して市内主要ホテルや博多駅観光案内所に設置。インスタグラムでの情報発信にも力を入れているそうです。


異業種コラボレーションで観光や産業全体を盛り上げる

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コロナ禍中は観光タクシーの需要はもちろん途絶え、ロックダウンや外出規制により通常のタクシー利用も激減しました。最初は、提携飲食店の料理を個人宅などにお届けするタクシーデリバリーに参画。その後、観光に関連した地域応援などができないものかと従業員も巻き込んで情報を集めていたところ、福岡県うきは市の企業パートナーの取り組み事例が目に入ってきました。
以前から、観光客をうきは市へお連れしたことがあったため、フルーツ狩りなど今後も何か一緒に取り組めるかもしれないと、ある従業員が問い合わせしてみたそうです。突然の電話に、市の方も大変驚かれたようです。
とはいえ、コロナ禍真っ只中ですぐには観光復活の兆しも見えず、しばらくの間は人手が足りない農園へ出向き、社長を含め有志の従業員数人で、ひたすら農作業を手伝っていたといいます。
「平日、とにかく暇でやることがないから、結構農園に通っていましたね。先が全く見通せない状況で、ただただ必死に体を動かしていました」(従業員の方)
しかしその縁が実を結び、今ではうきは市の予算で市をPRするラッピングタクシーを走らせるまでに。また、今でも年に数回は農作業のお手伝いに行き、豪雨被害の際は出荷できなくなったブドウを大量に購入し、社内販売や福岡の関係先、SNSで募った購入希望者にタクシーで配達し支援販売を行うなど、ユニークなつながりが継続しています。
「コロナ禍のおかげで、自由な発想と、動くことによる新しいご縁を得ることができた」と従業員の方も笑顔で振り返ります。
コロナ禍を経て、一気に利用が増えている観光タクシーの乗務員の中には、もっとお客様に喜んでもらおうと、個人的に現地に足を運んだり、独自で観光名所の勉強をしたり、あるいはお客様に当日見ることができない景色を見せるため、本やネットから追加情報を仕入れたりする方もいるそうです。こうしたプロフェッショナルな観光案内によって、タクシーが単なる移動手段にとどまらず、旅全体の満足度を上げてくれる存在になっていくのかもしれません。


福岡交通の詳細

運営企業:福岡交通株式会社
代表者:代表取締役 野上正嗣
業種:タクシー・観光タクシー・プレミアムタクシー等

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