これぞ明朗会計! レシート発行、外国語メニューもある屋台「中洲十番」
2018年6月19日屋台公募制度の導入によって、2017年4月より新たに営業を開始した、20軒を超える新規屋台。その中でも、レシート発行や積極的な英語対応などで異彩を放っているのが、中洲の清流公園内にある「博多屋台 中洲十番」です。日々チャレンジを続ける大将、田中博臣さんにお話を伺いました。
お客様目線で使いやすいサービスを提供
—こんばんは。中洲十番さんは、クレジットカードが使えたりレシートが発行されたりと、お客にとってわかりやすいサービス提供で話題です。どんな経緯でこうなったんですか?
田中:福岡は海外から観光で来る方が多いんで、お客さんのニーズに柔軟に対応して、海外の方にも気軽に楽しんでもらいたい、というのが発端ですね。お客さんが喜んでくれることが僕らにとっても一番嬉しいことなんで。例えば、僕たちも海外に行ったら現金を持ち歩かないで、クレジットカードで払う方が安心でしょ? それと一緒で、海外からのお客さんはカードを使いたがるから、うちの屋台でも使えるようにしようと思って。
―確かに、慣れない通貨でお金の計算をするのは、難しいですもんね。
田中:海外の人が手持ちのお金を気にしながら注文してるのが、申し訳なくて。クレジットカードの他に電子決済(WeChatPay、Alipay)、電子マネー(交通系ICカードなど)も使えます。
―レシートも発行されるんですね?
田中:ええ、カード導入にあわせて明細も取り入れました。例えば、割り勘ひとつでも、会社の経費を落とすでも、ちゃんとレシートを渡さないと、お客さんがやりにくい。明細がわからなければ、メニューでいくら適正価格を謳っていても明朗会計とはなりませんよね。特に海外は物価も違うので、そこをクリーンにしたかったんです。
―実際に海外からの観光客が多いですね。
田中:中国や韓国の他にも、台湾、スウェーデン、オランダ、フランス、イギリス、ポーランド、ロシア、コロンビア…。ありとあらゆる国から来てもらっていますね。
―メニューにも外国語が目立ちます。
田中:スタッフに韓国語ができる子がいたり、実際に来店した中国のお客さんに、ネイティブな翻訳をしてもらったこともあるんですよ(笑)。メニューの価格も、その辺の居酒屋と変わらない金額で楽しんでもらえるように、少しでも安く提供できるよう努力しています。メニューのシェアもOKです。
―ところで田中さん、お店の人気メニューはずばり!?
田中:焼きラーメン、羽根付き餃子など、福岡ならではのメニューは人気ですね。うちの焼きラーメンは屋台ならではのライブ感を大切にしたくてフランベでダイナミックに仕上げるんです。味はもちろんですけど、せっかくやけん、お客さんの思い出に残るものを出したいと思って。
—羽根付き餃子も博多名物ですもんね! 羽根が透き通ってキレイ。
田中:パリパリに焼きあがった博多ならではの羽根と、ジュワッとジューシーな肉種の食感は相性抜群ですよ! ピリ辛のタレにつけていただけば、お酒も進みます!
10年後にも、また行きたいと思ってもらえる店づくり
―今後の目標はありますか?
田中:安心してお客さんに来てもらうのが、一番やりたいことですね。福岡に観光で来て、次来るのは5年後か10年後か、いつかもわからないし、もしかしたらもう来ないかもしれない。けど、誰かが「福岡に行くんだよね」って時に、「前行ったあの屋台が良かったよ」って、楽しかった思い出を繋げてもらえたら嬉しいなと思ってるんです。
―素敵ですね。ありがとうございます。最後に福岡のみなさんに一言いただけますか?
田中:「買い物帰りや仕事帰りに、ちょっと屋台に寄って帰る」みたいな気軽な雰囲気を、屋台業界全体で作っていきたいと思ってます。まずは僕の1軒からでも新しいことに取り組んで、まわりを巻き込む影響力を出せたらなと。そのスタートを切りたいですね。
―本日はどうもありがとうございました!
お客さんが喜んでくれるかどうかを第一に考える田中さんの屋台は、取材時も常に満席。国内外、様々な言語が飛び交いながら、たくさんのお客さんの笑顔であふれていました。きっとこれからも、中洲十番を訪れるみなさんに、福岡屋台の楽しい思い出を提供していってくれるはずです!