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博多のルーツって?博多旧市街で見つかるその原点!

みなさんは博多旧市街へ行ったことはありますか?歴史と文化が息づく魅力的な観光スポットとして、近年注目されています。古くから貿易の中心地として栄えたこの地域には、中世の面影を残す寺社や街並みがあり、博多の街を形作った原点とも言える場所が数多く存在します。

博多の商人たちが築き上げた歴史と共に、タイムスリップした気分を味わえる散策を楽しんでみませんか?それでは博多の魅力を再発見する旅へ、一緒に出かけましょう。

博多旧市街とは?

博多旧市街は、博多駅から海に向かって伸びる大博通りを中心に、御笠川と博多川に挟まれたエリアを指します。11世紀後半、博多は日本唯一の国際貿易港として発展を始めます。

この時期、博多は博多綱首(こうしゅ)と呼ばれる貿易商人など、多くの中国人が住む「博多津唐房(はかたつとうぼう)」と呼ばれるチャイナタウンを中心に発展し、海外からの文化や技術が日本に伝来する窓口として大きな役割を果たしました。

現在の博多旧市街には、その歴史を物語る寺社や伝統工芸、古い街並みが残されています。寺社が連なる静寂な空間や、活気あふれる商店街の散策、博多の伝統工芸や伝統芸能とのふれあいなど、博多の魅力を存分に感じることができます。

また、古い町家をリノベーションしたカフェやショップ、伝統工芸を現代的にアレンジした商品など、新旧の文化が融合した、独特の雰囲気を楽しむことができるのも魅力の一つと言えます。

博多旧市街のポイント①:寺社の密度が高いエリア!

また、この地域は、古くから宗教的に重要なエリアとしても知られています。1k㎡あたり45.3か所と多くの寺社が密集しています。福岡市内全体では、1k㎡あたり1.03なので、45倍以上の密度です。
(データでわかるイイトコ福岡/Fukuoka Factsはコチラから:
https://facts.city.fukuoka.lg.jp/data/temples-shraines/

寺院の多さは、博多が中世から近世にかけて商業の中心地であったことが深く関係しています。商人たちは自らの繁栄と航海の安全を祈願するため、多くの寺院を建立しました。ここでは代表的なお寺を二つご紹介します。

東長寺

東長寺は、空海が日本で最初に創建した寺と言われており、木造千手観音菩薩像などの重要文化財を有しています。

また、日本一大きな木造坐像である福岡大仏(高さ10.8m)も見どころの一つです。迫力のある大仏像は圧巻の一言と言えます。

東長寺の五重塔は、博多の街のシンボルとして親しまれており、その優美な姿は多くの観光客の撮影スポットとしても人気です。境内には福岡藩主黒田家二代忠之、三代光之、八代治高の墓所もあり、福岡藩とのつながりを物語っています。

承天寺

禅宗の寺院である承天寺は、庭園の美しさや趣ある通りで知られ、都市の中でも静寂を感じられる人気のスポットです。
福岡の三大祭りのひとつである「博多祇園山笠」は、ここ承天寺の開祖である聖一国師が、鎌倉時代に疫病が流行った際、施餓鬼棚に乗って祈祷水を撒きながら町を清めてまわり、疫病退散を祈願してまわったことが発祥だと言われています。

重要文化財として釈迦三尊像や禅家六祖像などを有し、毎年秋(11月)には、これらの文化財が特別に拝観できるガイド付きのツアーも開催されています。(要予約)

他にもこの地域には多くの寺社があります。博多寺社めぐりのモデルコースも公開されています。それぞれの寺社が持つ由緒や歴史を感じながら、博多旧市街のまち歩きを楽しんでみてください。

博多旧市街のポイント②:実はみなさんご存知のあの食べ物発祥の地

皆さんご存知の食べ物「そば」、「うどん」、「まんじゅう」「ういろう」はこのエリアが発祥の地と言われています。

そば・うどん

写真提供:福岡市

博多といえば豚骨ラーメンを思いつく方も多いかもしれませんが、実はうどんも博多の名物の一つ、柔らかな食感が特徴的です。13世紀には存在していたと言われており、承天寺の聖一国師(円爾)が宋(中国)から博多に持ち帰った製粉技術を応用し、うどん、そばが開発されました。

まんじゅう

承天寺境内の饅頭発祥の碑

承天寺を開いた聖一国師は、中国で学んだ製粉技術をここ博多へ持ち帰ったと言われています。聖一国師が書いたと伝わる「御饅頭所」の文字を刻んだ石碑が、承天寺の境内にあります。

ういろう

ういろうといえば名古屋や山口のイメージですが、実はここ博多生まれという説があります。1368年頃、中国の明王朝の成立に伴い元朝の医薬官僚だった陳延祐(ちんえんゆう)が、現在博多区にある妙楽寺に亡命。彼は「陳外郎(ちんういろう)」と名乗り、自身の家に伝わるもてなし用のお菓子を日本に持ち込みました。これが現在のういろうの起源とされています。近年、ういろう伝来の地・博多の土産の新定番として誕生した「博多ういろう」が、市内のお土産店で販売されています。

博多旧市街のポイント③:発掘調査でわかる博多の歴史!

この博多旧市街の地域は、弥生時代には人々が生活していたことが発掘調査からわかっています。発掘調査で明らかになった、博多の歴史を紹介します。

貿易都市の港

2024年、冷泉小学校跡地(上川端町)で発見された石積遺構が国史跡「博多遺跡」に指定されました。この遺構は11世紀後半にさかのぼり、国際貿易都市・博多が成立する時代の港湾施設であったことが判明しています。この発見によって、中世国際貿易都市として栄えた博多の研究が大きく進展することになりました。

国史跡に指定された石積遺構の一部

博多遺跡群で発掘された資料の数々。当時の人々の生活の様子を復元するヒントになる。(福岡市埋蔵文化財センター所蔵)

前方後円墳もあった?!

博多遺跡群で、最古の遺物は縄文土器ですが、明確な居住の証拠は未発見です。弥生時代になると、竪穴住居や甕棺墓などがつくられ、村が広がりました。古墳時代になると、博多湾に面して古墳群がつくられます。祇園町交差点付近では、福岡平野の中でも有数の規模の前方後円墳が発見され、埴輪なども多く出土しています。

発掘調査からは、博多が国際貿易として発展した歴史とともに、商業都市となる以前の村や古墳の時代の歴史が明らかになりました。

弥生時代の甕棺墓(福岡市埋蔵文化財センター所蔵)

前方後円墳の葺石の一部(福岡市埋蔵文化財センター所蔵)

まとめ

博多千年門

博多旧市街は古代から現代まで受け継がれてきたこの地域ならではの魅力的なスポットばかり。歴史ある寺社巡り、美味しい食べ物探し、新しい文化との出会いなど、きっと皆さんに満足いただける多様な体験が待っています。ぜひ、博多旧市街の散策を通じて、自分だけのお気に入りスポットを見つけてみてください。

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