舒庵月音(じょあん つきね) 個展『 春疾風(はるはやて)- 16 to 32 - 』【舒庵ギャラリー】2025年
2025年2月9日 〜 2025年2月15日 百道・早良エリア「 春疾風(はるはやて)」「 16 to 32 」の2つをテーマに開催。テーマと和紙の表現の融合も見どころの一つ。
4点の新作も展示!
この度、書道家 舒庵 月音(じょあん つきね)のギャラリー(福岡市)にて作品展『 春疾風(はるはやて) – 16 to 32 – 』を開催します。
本展のテーマは、大きく2題。「 春疾風(はるはやて)」は文字通り、春の風が吹き抜ける清々しさと、憂いや迷いを吹き払うような瞬間的な強いエネルギーを象徴しています。
さまざまな社会情勢、政治や環境の変化のある中、揺るぎない信心のもと、一筋の光に向かって前進していく強い活力。“ 潔さ ”とも言えるかもしれません。
そして、もう一つは「 16 to 32 」。つまり、ダイヤモンド(本展では ” 金剛 ” と表現)が、密度を上げてより洗練・凝縮されていくその過程。それは、強い向上心を覚えて、新たな境地へと歩みを止めない ” 覚悟 ” の姿とも言えます。
これらをテーマに、書道家自らの心に現れた言葉を紡ぎ、内側に眠るものを深く見つめ、形になった作品が展開されます。
そして、本テーマと和紙の表現の融合も見どころの一つ。書道家自身の新たな表現の探索として、今回の主たる作品に「手漉き和紙」が使われています。
「自ら心に思った線の強弱や筆勢のスピード感が、瞬時にかつ継続的に紙の上に現れ出てくる。」それが、 ” 書 × 手漉き和紙 ” の魅力。墨が厚みのある和紙に染み入っている様子、あるいは、墨色の美しさや香りを感じていただけることと思います。
作品について
本展では、以下の4点の新作が展示されます。
1.春疾風 ― 『 風 kaze 』
春の草木の萌え出ずる大地を吹き抜けてゆく風、春の軟らかさと清涼なスピード、走り抜いた後の一風来陽。これらの感覚を表現した作品です。
2.金剛心 ― 『 凝 gyou 』
「金剛」の言葉が示す強いイメージを基に、精神の集中と揺るぎない心を表現。核心を目指して時を経ながら凝固していく過程を描いています。
3.金剛杵 ― 『 戒 kai 』
仏教における「金剛杵」が示すように、煩悩や執着を滅する力強い武器としての役割を描き、自己戒めと覚悟を感じさせます。
4.金剛合掌 ― 『 極 kyoku 』
手を合わせて信ずるものを思い、心を願うことの究極を知るための継続と覚悟を表現した作品です。
舒庵月音からのメッセージ
本展では、日常に生まれる直感と思考をもとに、作品を通じて深い内面を探求し、表現に落とし込んでおります。作品を通じて、観ていただける方がそれぞれの思いを抱き、心に響く感覚を得ていただける時間となればと思っております。
そして、書が、自然という大きな宇宙空間に融けあうものであり、思わぬ哲学に出会えたり、「ゆったりとした、穏やかな心で過ごすこと」にふさわしい ” 道 ” であるということ。この流れの速いスピード感のある現代だからこそ、これらのことに気づいたり、失われつつある”情緒”を養う機会となることを願っています。個展やアート活動を通じて、そのような想いを広められますと幸いです。
皆さまにとって、春の草木が芽吹く大地を吹き抜ける風の清々しさと、柔らかな春の風を感じられる時間となりますように。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。
書道家プロフィール
・平成17年度久留米市芸術奨励賞受賞
・毎日女流書展 文部大臣奨励賞受賞
・元毎日女流書展審査会員・毎日書道展会員
・ドイツミュンヘン「現代日本の書」展 出品
・「日韓条約40周年記念書画文化交流展『日本展』」出品
・国際親善ジャパンウィークイタリア ナポリ参加
・現・久留米学園高等学校非常勤講師