前川光平写真展『家はガムテープで直せる』【本と写真 リブリスコバコ】~郊外に点在する奇妙な軒先の光景が記録された世界。
開催終了 大濠・六本松エリア郊外に点在する奇妙な軒先の光景を記録した写真展。
LIBRIS KOBACOで前川光平写真展 『家はガムテープで直せる』を開催。
前川光平の撮る世界には、郊外に点在する奇妙な軒先の光景が記録されています。
それは、空き缶や自転車の車輪、看板や人形などの日用品が、本来の用途とは異なる姿で軒先に装飾されている光景です。
10月5日スタートの前川光平写真展『家はガムテープで直せる』にてみなさまを心よりお待ちしております!
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『家はガムテープで直せる』は、私が東京の郊外、雑然とした路地裏で、配達の仕事を7年間していた経験を基に構成されている。
ガムテープでグルグル巻きにされた家、捨てられた自販機から生えたマネキンの首、大量の空き缶で装飾された自転車。配達中に路上で遭遇したこれらの奇妙なオブジェクトは、壊滅的なもの、間違ったもの、場当たりで意味不明なもの…しかし魅力的な、観光ガイドには決して載らない生々しい郊外の断片である。一般的に見過ごされていくこれらの存在は、路地裏の住人たちが生きていくために必要な場所をそれぞれ築き上げてきた証である。手作りの生々しさと、その奇妙な形状に魅了された私は、それらを観察するべき「モノの在り方」として記録している。
-前川光平-
私たちはいつもどうやって見るもの見ないものを選択しているのだろうか。
ただ目に映る光景というのは、きっと無意識の選択によって切り取ってしまった世界を自分自身の枠の中でとらえているのだろう。
前川光平はそんな無意識に見ていない、見つけられない(あるいは見えてはいるが見ようとせずにいる)光景を写真に撮っているように感じる。
空き缶の花が咲く木々。
誰かの庭に鎮座する謎なオブジェ。
ガムテープでぐるぐるとまかれた不思議な何か。
けっして美しいわけではない誰かが作った、または作るつもりも無かった物体がただそこにあり、その光景を前川光平は撮影しているのだ。
彼に展示をして欲しいと思ったのは夜の闇の中でなぜこの光景を撮ろうと思ったのか…と、聞いてみたいと思ったことからスタートした。
「前川光平さんあなたはなぜこの奇妙にも見える光景を撮影しようと思ったんですか?」
もちろんその答えは彼から聞いているのだが、今展示である『家はガムテープで直せる』展で、私はもっと知りたいと思っている。
LIBRIS KOBACO
///作家プロフィール///
前川光平
1993年、東京生まれ。2018年、日本大学芸術学部写真学科中退。金村修WS、海原力WS参加。
東京・埼玉で配達の仕事をしている時に見つけた奇妙な建築物”Yard Art”を記録した作品が、清里フォトアートミュージアム(2020-2022年度)に収蔵される。また、山奥に立つ案山子を題材した作品が、「PITCH GRANT 2023」(主催:THE BACKYARD)のファイナリストに選出される。
【グループ展】
2017年:Visual Communication Exhibition 2017(茨木県立つくば美術館)
2022年:Visual Communication Exhibition 2022 (茨木県立つくば美術館)
【個展】
2021年:『隣の芝は青い』 (Alt_Medium 東京)
2023年:『Carved Land』(IG Photo Gallery 東京)
【インタビュー】
ROADSIDERS’weekly (2021/1/06号, 2022/9/21号)
【収蔵】
清里フォトアートミュージアム (2020,2021,2022)