スウェーデン映画への招待【福岡市総合図書館映像ホール シネラ】
開催終了 百道・早良エリア日本・スウェーデン外交関係樹立150周年を記念して、【特別企画】日本初公開を含むスウェーデン映画の名作を特集します♪
■観覧料
600円(大人) 500円(大学生・高校生) 400円(中学生・小学生)
※定員制。各回入替制。
※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。(チケットの発券は上映の1時間前からです。)
※障がい者の方及び福岡市在住の65歳以上の方は300円。(手帳や保険証などの提示が必要です。)
※「わの会」会員の方は300円。(会員証の提示が必要です。)
◎詳細はシネラホームページをご覧ください。
【上映作品】
<イングリッド・バーグマン選集>
2月1日(金曜日)14時 2月9日(土曜日)14時
女の顔
監督:グスタヴ・モランデル 出演:イングリッド・バーグマン トーレ・スヴェンベリ
1938年/デジタル/モノクロ/101分/日本語・英語字幕付き
イングリッド・バーグマン、バーンスにて
出演:イングリッド・バーグマン ロベルト・ロッセリーニ
1953年/デジタル/モノクロ/6分/日本語・英語字幕付き
ロッセリーニ家とのひととき
監督:ヤット・エングストルム
出演:イングリッド・バーグマン ロベルト・ロッセリーニ
1953年/デジタル/モノクロ/6分/日本語・英語字幕付き
首飾り
監督:グスタヴ・モランデル 出演:イングリッド・バーグマン グンナル・ビョーンシュトランド
1967年/デジタル/モノクロ/27分/日本語・英語字幕付き
世界的に知られたスウェーデン人女優、イングリッド・バーグマンの選集。スウェーデン時代の代表作の一つ『女の顔』(1989年日本公開)。『イングリッド・バーグマン、バーンスにて』は、久々に故国に帰ったバーグマンが、人々に温かく迎えられる様子をとらえる。同じく貴重な記録映画『ロッセリーニ家とのひととき』では、ロッセリーニ作品『イタリア旅行』(1953)の撮影風景と、その合間にくつろぐ一家の様子が映し出される。モーパッサンの同名短篇を映画化した「首飾り」は、オムニバス作品『刺激』の一挿話。モランデルとは本作が最後のコラボレーションとなったが、その隙のない演出は残酷なまでに冴えわたっている。
<アーネ・スックスドルフ選集>
2月6日(水曜日)14時 2月16日(土曜日)14時
くちばし
監督:アーネ・スックスドルフ
1944年/デジタル/モノクロ/18分/日本語字幕付き
街の人たち
監督:アーネ・スックスドルフ
1947年/デジタル/モノクロ/18分
出立
監督:アーネ・スックスドルフ
1948年/デジタル/モノクロ/10分
幸せは遠い雲の下に
監督:アーネ・スックスドルフ
1965年/35ミリ/モノクロ/89分/日本語字幕付き
スウェーデンを代表するドキュメンタリー作家、アーネ・スックスドルフ(1917-2001)の選集。『くちばし』は、無人の海岸で鳥たちが過酷な生存競争を繰り広げるさまを、美しい撮影によって見せる。『街の人たち』は、ストックホルムの1日をとらえた「都市交響楽」風ドキュメンタリーで、スウェーデン映画で初めてアカデミー賞を受賞した。『出立』は、ロマの人々が旅立つ姿を描く。スックスドルフは1962年にブラジルに移住し、映画作りを教える傍ら、貧しい子供たちの救済に力を注いだ。『幸せは遠い雲の下に』は、その過程で製作された長篇セミドキュメンタリー。リオデジャネイロの高台のバラックに住む4人の孤児たちが、感傷を排したキャメラによって映し出される。
露は溢れ雨は落つ
2月2日(土曜日)11時
2月8日(金曜日)11時
監督:グスタヴ・エードグレーン
出演:マイ・セッテリング アルフ・シェリーン
1946年/デジタル/モノクロ/103分/日本語字幕付き
当時最大のヒットとなった恋愛映画。裕福な大農園の娘マーリット(セッテリング)とバイオリン弾きの若者(ヨーン)が恋に落ちる。二人はあらゆる困難を乗り越えて愛を貫こうとする。人間を温かく迎え入れると同時に激しく敵対する自然描写は、スウェーデン映画ならではの魅力に満ちている。
見知らぬ港
2月1日(金曜日)11時
2月16日(土曜日)11時
監督:エーリク・ハンペ・ファウストマン
出演:アードルフ・ヤール イェオリ・ファント
1948年/デジタル/モノクロ/85分/日本語字幕付き
第二次世界大戦勃発直前の1938年冬、ポーランドのグディニャ港。スペインのフランコ政権を支持するナチス・ドイツは、大量の手榴弾を缶詰に偽装して、スウェーデンの貨物船でバルセロナ港まで密輸しようとする。それを知った船員たちが取った行動は…。ソ連映画に強い影響を受けた、左翼映画作家E・H・ファウストマンの代表作。
母というだけ
2月3日(日曜日)11時
2月7日(木曜日)11時
監督:アルフ・シューベイ
出演:エーヴァ・ダールベック ラグナル・ファルク
1949年/デジタル/モノクロ/101分/日本語字幕付き
20世紀初頭から1920年代にかけてのスウェーデンの農村地帯を舞台に、日雇い農場労働者の娘リーアリーア(ダールベック)が、望まない結婚と出産を経て、苦しい生活にたびたび押し潰されそうになりながらも、母として子供たちを育て上げる姿を描く。ベルイマン作品などで知られるE・ダールベックが、強く美しい女性を熱演。
牢獄
2月6日(水曜日)11時
2月10日(日曜日)11時
監督:イングマール・ベルイマン
出演:ドーリス・スヴェードルンド ビリエル・マルムステーン
1949年/デジタル/モノクロ/80分/日本語・英語字幕付き
ベルイマンが自身の脚本を初めて監督し、初期キャリア上の転機となった重要作。17歳で身ごもってしまった娘ビルギッタ(スヴェードルンド)の転落が、「この世は地獄である」という全篇を貫く主題を通奏低音として、悪夢のように展開していく。また、映画監督マッティン(エークマン)が次作を構想する様子も並行して描かれ、メタ映画の試みとしても野心的な作品。
春の悶え
2月3日(日曜日)14時
2月20日(水曜日)14時
監督:アーネ・マットソン
出演:ウッラ・ヤーコブソン フォルケ・スンドクヴィスト
1951年/デジタル/108分/モノクロ/日本語字幕付き
湖畔での全裸のラブシーンによって世界中でスキャンダラスなまでにヒットし、美しい自然描写と性的な自由さという、スウェーデン映画の一般的イメージを確立した作品。だが、むしろ全篇を支配するのは、教会に代表される旧道徳に縛られた農村社会と、都市文化の流入によって、一瞬の青年期を燃焼し尽くすかのように純粋に異性を求めようとする若者たちとの、熾烈な世代間闘争のドラマである。ベルリン国際映画祭金熊賞受賞。1954年日本公開。
道化師の夜
2月7日(木曜日)14時
2月10日(日曜日)14時
監督:イングマール・ベルイマン
出演:オーケ・グルーンベリ ハリエット・アンデション
1953年/デジタル/モノクロ/93分/日本語・英語字幕付き
困窮したサーカス団を率いるアルベルト(グルーンベリ)は、旅回りの生活に疲れ果て、一度は捨てた妻(トレートヴ)に家庭に戻りたいと訴えるが拒絶され、愛人アンナも別の劇団の色男(エークマン)に誘惑されてしまう。人間の受ける屈辱という感情を正面から見据えたベルイマンの辛辣な演出にあって、アンナを演じたH・アンデションの艶めかしい魅力が光る。1965年日本公開。
ミス・エイプリル
2月2日(土曜日)14時
2月8日(金曜日)14時
監督:ヨーラン・イェンテレ
出演:グンナル・ビョーンシュトランド レーナ・スーデルブロム
1958年/デジタル/カラー/100分/日本語字幕付き
堅実な生活を送る銀行頭取(ビョーンシュトランド)が、春の陽気に誘われたことから美しいダンサーの娘(スーデルブロム)と出会って恋に落ち、オペラ歌手として第二の人生に目覚めてゆくミュージカル。ベルイマン映画で知られるG・ビョーンシュトランドの、喜劇俳優としての魅力にあふれた作品で、全篇取り違えと勘違いによって軽快に進行する脚本も素晴らしい。
ここにあなたの人生がある
2月11日(月曜日・祝日)14時
2月15日(金曜日)14時
監督:ヤーン・トロエル
出演:エッディ・アックスベリ ギュードルン・ブロスト
1966年/デジタル/モノクロ/169分/日本語・英語字幕付き
1910年代、父親が病に倒れた一家の少年オーロフ(アックスベリ)は、製材労働者、映画館の売り子、巡回興行の映写技師などの仕事を転々としつつ、独学で学問を身に着け、恋をし、社会変革の意識に目覚めていく。1960年代以降のスウェーデン映画を牽引する一人、J・トロエルの長篇デビュー作は、一少年の成長を描きながら広い世界へ突き抜け、唯一無二の詩情をまとう決定的代表作となった。
天使のともしび
2月9日(土曜日)11時
2月21日(木曜日)11時
監督:シェル・グレーデ
出演:マリー・ウーマン フレードリク・ベックレーン
1967年/デジタル/カラー/83分/日本語・英語字幕付き
人気児童文学作家M・グリーペの小説を映画化した児童映画。友だちのいないヨセフィン(ウーマン)が、奔放で型にはまらない少年ヒューゴ(ベックレーン)と出会い、仲良くなる。子どもたち、そして周囲の大人たちも等しく複雑な事情を抱えた存在としてとらえる、自然主義的な眼差しが出色。ラストは深い余韻を残す。1970年の日本公開時には、日本版の音楽に変更されて上映されたが、今回上映するのはオリジナル版。
ガールズ
2月11日(月曜日・祝日)11時
2月21日(木曜日)14時
監督:マイ・セッテリング
出演:ビビ・アンディション ハリエット・アンデション
1968年/デジタル/モノクロ/100分/日本語・英語字幕付き
女優から監督に転身したセッテリングの長篇第4作。パートナーとの関係にそれぞれ問題を抱える女優三人が、アリストパネス「女の平和」のツアー中、女性の権利獲得をめぐる困難に直面する。現実と非現実が入り交じる大胆な形式で表現された過激な風刺性は、当時の批評家と観客の反感を買い、その後18年にわたりセッテリングをスウェーデンでの映画製作から遠ざけることとなった。現在ではスウェーデン映画ベストにもしばしば挙げられる。
俺たちはモッズと呼ばれる
2月14日(木曜日)11時
2月17日(日曜日)11時
監督:ステーファン・ヤール ヤーン・リンドクヴィスト
出演:ケンネット・“ケンタ”・グスタヴソン グスタヴ・“ストッフェ”・スヴェンソン
1968年/デジタル/モノクロ/100分/日本語字幕付き
一人の若者が5分以上淡々と生い立ちを語るショットから、主人公二人(ケンタとストッフェ)が颯爽と登場し、ロックスターのように街を闊歩するタイトルバックへと鮮烈に移行する。以後おおむね「シネマ・ヴェリテ」のスタイルをとるこの映画は、若者たちの享楽的生態を活写しつつ、福祉国家スウェーデンからこぼれ落ちてしまう社会層の存在をも浮かび上がらせていく。「モッズ」ドキュメンタリー3部作の第1作。
スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー
2月17日(日曜日)14時
2月22日(金曜日)11時
監督:ロイ・アンダーソン
出演:アン=ソフィ・シュリーン ロルフ・ソールマン
1970年/デジタル/カラー/120分/日本語・英語字幕付き
『散歩する惑星』(2000)、『さよなら、人類』(2014)などで知られるR・アンダーソン(アンデション)監督が26歳で発表し、ベルリン国際映画祭で4賞を受賞、本国でも大ヒットを記録したデビュー作。ソフト・ロック調の爽やかな旋律に乗って、15歳の少年ペール(ソールマン)と13歳の少女アニカ(シュリーン)が育む初々しい恋模様が、世俗の垢にまみれた大人たちと対比して描かれる。1971年日本初公開時の題名は『純愛日記』。
刑事マルティン・ベック
2月20日(水曜日)11時
2月24日(日曜日)11時
監督:ボー・ヴィーデルベリ
出演:カール=グスタヴ・リンドステット スヴェン・ヴォルテル
1976年/デジタル/カラー/113分/日本語・英語字幕付き
世界中で知られる警察小説シリーズの第7作(『唾棄すべき男』)を映画化。主役のマルティン・ベックに抜擢された(それまで喜劇映画の俳優として知られていた)C=G・リンドステットを始め、持ち味の異なる俳優たちの存在感が素晴らしく、彼らのアクションを細部まで巧みにとらえる手持ち撮影も効果的。残虐な殺人事件の犯人を、ストックホルム警察殺人課の刑事たちが追っていく。当時のスウェーデンで記録的なヒットとなった。1978年日本公開。
ピカソの冒険
2月15日(金曜日)11時
2月23日(土曜日)14時
監督:ターゲ・ダーニエルソン
出演:マルガレータ・クローク レーナ・オリーン
1978年/デジタル/カラー/113分/日本語字幕付き
ハッセ&ターゲの名で親しまれたコメディアン・チーム、アルフレッドソンとダーニエルソンは、映画監督として両者ともすぐれた作品を残している。本作は、より多作であったダーニエルソンによる一本。「芸術とは真実を伝える嘘である」というピカソの言葉を冒頭に置き、ピカソの生涯を語るかのように見せかけて、奔放かつナンセンスな世界が展開する。ピカソ役はH・エークマンの息子ユスタ。アルフレッドソン(『裏切りのサーカス』のT・アルフレッドソン監督の父でもある)がピカソの父を演じる。
※日本語字幕は制作者の意向によりナレーションのみに付いています。
まともな人生
2月14日(木曜日)14時
2月23日(土曜日)11時
監督:ステーファン・ヤール
出演:ケンネット・“ケンタ”・グスタヴソン グスタヴ・“ストッフェ”・スヴェンソン
1979年/デジタル/カラー/102分/日本語字幕付き
「モッズ」ドキュメンタリー3部作の第2作。前作から約10年が過ぎ、若者たちの遊び場だった駅はすっかり荒んで、ジャンキーが寝泊まりする場に。離れ離れになったケンタとストッフェはそれぞれ所帯を持っているが、薬物禍は彼らの暮らしにもやがて悲劇をもたらす。前作の映像をたびたび挿入して現在と重ね合わせ、時間の経過と社会の荒廃を表現する編集にも注目。
アンドレーの北極気球探検行
2月22日(金曜日)14時
2月24日(日曜日)14時
監督:ヤーン・トロエル
出演:マックス・フォン・シドー スヴァッレ・アンケル・アウスダル
1982年/35ミリ/カラー/141分/日本語字幕付き
ハリウッドから戻ったトロエルの帰国第一作。気球での北極点到達を試みて遭難死した、サーロモン・アウグスト・アンドレー(1854-1897)の野望と挫折を描く。近年に至るまで多くの歴史映画で才を発揮しているトロエルは、本作でも綿密な考証で説得力ある作品世界を構築。苛酷な自然描写は、サイレント期以来のスウェーデン映画の伝統に連なる。
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