驚きと楽しさあふれるツアーで福岡の魅力を広く発信!

福岡市観光案内ボランティア協会

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歴史的なスポットや伝統文化体験など、福岡観光をさらに楽しむポイントを、地元の歴史や文化に精通する皆さんに教えていただく「地元の人に聞く!福岡の歴史・文化の魅力」インタビュー。今回は天神や博多を拠点に観光ガイドとして活動している、「福岡市観光案内ボランティア協会」の会長・安河内昭美(やすこうちあきみ)さん、副会長の遠藤正雄さん、同じく副会長の上原謙一さんにお話をうかがいました。

取材対象者紹介

会長:安河内昭美(やすこうち あきみ)さん [写真:中央]
2017年に福岡市観光案内ボランティアに。街並みを見続けてきた経験を生かし、自身も感動を覚えたという地元の歴史や文化を、福岡を訪れる人や地元の人々に伝えている。

副会長:遠藤正雄(えんどう まさお)さん [写真:右]
2020年4月福岡市観光案内ボランティアに登録。さまざまな場所へ行き、たくさん歩きつつ人前でしゃべり、自身もこれを楽しみながら、観光案内活動を続けている。 

副会長:上原謙一(うえはら けんいち)さん [写真:左]
もともと歴史が好きで2019年観光ボランティア登録。福岡市に転居し、博多・福岡が好きになり、その魅力を1人でも多くの人に紹介したいと日々活動している。

福岡市観光案内ボランティア協会(公益社団法人 福岡観光コンベンションビューロー内)
TEL:092-733-5050
営業時間:9:30~17:00
定休日:土日祝・年末年始
https://www.welcome-fukuoka.or.jp/kankouannai/ 

歴史スポットからイベントまで幅広く観光案内

発足時期など「福岡市観光案内ボランティア協会」について教えてください。

安河内さん:今から33年前の1991年に発足しまして、現在の会員は54名(2025年2月25日現在)。あらゆるジャンルに対応した福岡市の観光案内をしています。以前より会員数が少なくなったこともあり、今後はジャンルに特化してご案内する「福岡市おもてなしサポーター」の皆さんにもご協力いただきながら活動していくことを目指しています。将来的にこの中からボランティアガイドが誕生すれば嬉しいなと思っています。

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皆さんの具体的な活動内容を教えてください。

安河内さん:博多と天神、2つを拠点に約1時間の無料の定時ツアーと、派遣という形で約2時間ご案内する、有料・予約制のツアーを行っています。有料ツアーでは、博多や天神のスポットをご案内するモデルコースをはじめ福岡城・鴻臚館(こうろかん)、承天寺「圓明閣」(えんみょうかく)の重要文化財の春・秋特別公開や、「博多どんたく」や「博多園山笠」などイベントに合わせたツアー、そのほか募集型の企画ツアーなど、幅広い観光案内を行っています。

遠藤さん:有料のツアーは、事前に相談したうえで、お好みのコース内容にカスタマイズすることも可能です。先日、とあるイベントで母娘さまをご案内していた際、急遽、休憩もかねて出店でうどんをお召し上がりになったことがありましたが、そのように当日の状況にあわせた臨機応変な対応もしております。

上原さん:毎年10月20日頃、祖原公園から西新元寇防塁まで、「元寇」の遺構や史跡をまわるツアーを開催してご好評いただいているのですが、今年(2024年)は元寇から750年目だったこともあり、より熱い歴史ファンが集まり、例年以上に盛り上がりました。

感じた魅力をもっと広く多くの人に楽しんでほしい

皆さんはなぜ、福岡市の観光ボランティアになったのでしょうか?

安河内さん:友人に誘われて参加した「情緒めぐり」というまち歩きが、小旅行みたいに楽しくて。ガイドさんを見ながら、こんな仕事も素敵だなと思ったものの、当時は歴史や文化にそれほど興味がなく、すぐにガイドになろうとは思わなかったのですが、仕事上でお付き合いがあった当時の副会長に勧められまして、応募しました。

遠藤さん:以前働いていた文化センターで北部九州中心にバスツアーを行っていたのですが、予算の都合上、当時は全くの素人であった私が添乗ガイドをしていました。その時の参加者が喜んでおられる姿を見るたび、観光地をご案内する仕事も楽しいなと感じるようになりました。その後、こちらの募集を見て早速応募しました。

上原さん:県外から友人が来るたび、太宰府を案内していたのですが、京都のような雰囲気ある「博多旧市街」など、福岡市内にも素敵な場所があることを知り、市民として歴史・伝統・文化がある博多の街をいつか案内できればと思っていた頃ボランティアガイドの募集を見て、もともと歴史好きだったこともあり、応募しました。

ガイドに登録する際はどのような研修があるのですか?

安河内さん:座学はもちろん、博物館などへ実際に行ったり、知見のある方にお話をうかがったり、定時ツアーに見習いとして入るなど、半年ほど研修があります。福岡の歴史や文化についてお伝えするのはもちろん、何より大切なのはお客様に「楽しかった」と笑顔で帰っていただくこと。研修中は知識だけでなく、真の意味での「おもてなし」についても学ばせていただきました。

「お客様に喜んでいただきたい」その想いで奔走

これまでご案内された中で、特に印象的なツアーはありますか?

遠藤さん:私は「博多どんたく」です。松囃子(まつばやし)を行う三福神の流(ながれ)が、それぞれ企業やお店を「祝うたぁ」と言いながら回るんですが、流に付いて歩く100~200人の背中に下がっている「預かり笹」という縁起物をいただいて、ツアーのお客様にお渡しするのが恒例なんです。これが、小心者の私にとって本当に大変でした。

最初の頃は「前のグループにあげたよ」とか、「最後は子どものために取ってある」とか言われて、なかなか入手できなかったのですが、何年か続けていると顔見知りもできまして。どうしても入手できない時にはその方からいただいたり、今では毎年、お客様の分をしっかり確保しています。

上原さん:私も「博多どんたく」は、普段の観光案内に比べてテンションが違うと言いますか、別のスイッチが入りますね。法被を着たとたんに目にグッと力が入ります。「今日も皆さんのために預かり笹をいただきましょう!」と。

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安河内さん:私は「今ですよ!」とタイミングをはかって、お客様ご自身で取りに行ってもらっています。流ごとに違うので、全部で3種類あるのですが、中には2種類持ってこられるツワモノもいらっしゃいます。万が一もらえなかったお客様のために、少しキープしておくようにしてはいますが。

ただし、各流の「傘鉾」(かさぼこ)は、私から率先してくぐります。無病息災にご利益があると言われるものですから、ぜひ体験していただきたいのですが、「入っていいのか」と戸惑われて、タイミングを逃す方も多いんですね。法被を着ている私が最初にくぐれば、初めての方にも安心して続いていただけますので、真っ先にくぐるよう心がけています。

あとは「博多園山笠」ですね。追い山笠の前日、櫛田入りを練習する「流舁き」の時は、桟敷に無料で座れるんです。実際には2つの流ほどしか櫛田入りされないんですけれども、練習とはいえ舁き手の皆さんも必死ですから、本番さながらの迫力を楽しんでいただけます。お客様にも非常に喜んでいただけますし、私たちもその場で一緒に体感できるのが楽しいですね。

上原さん:「博多園山笠」のご案内も、いつも以上に気合が入ります。博多の伝統的なお祭りですし、一発勝負ですから、舁き手もその瞬間に賭けているので、失礼がないように気を付けながら、そしてお客様にも感動していただけるように心がけてご案内しています。

意外に「日本で最初に」が多い福岡の歴史

皆さんが福岡の歴史や文化に関わられるようになったのは、やはりボランティアガイドを始められてからでしょうか?

遠藤さん:そうですね。もともと地理が好きで、旅行や電車に乗るのが好きでした。ですから、得意な道案内でお客様を楽しませることができればとガイドになったのですが、実際に街をご案内するうえで、歴史は必須だと気付いたんです。そこから博多の主な歴史を少しずつ学び始めました。博多の歴史がだんだん好きになるにつれ、徐々に地元愛が芽生えていったのも、移住組の私にとってありがたいことでした。

安河内さん:私はもともと建築関係の仕事をしていたのでお寺や寺社の建築物は好きでしたが、そこまで歴史や文化に興味はありませんでした。ボランティアを始めて基礎から学び始めたので、いまだにカンペを見ながら、さも知ったふうにお話ししたりすることもありますが、学ぶことは頭の体操にもなりますし、歴史を知ることで現代も知ることができるから今は面白いなと思っています。

ただし、私たちは観光ガイドですから、あくまでお客様に福岡を楽しんでいただけるようなトピックスが必要なんです。幸いガイド仲間には、遠藤さんのように旅や鉄道に詳しい方や、上原さんのように歴史に詳しい方がいらっしゃるので、必要な情報を教えていただきながら、今も勉強を続けているところです。

上原さん:学生の頃から歴史は好きでしたが、ガイドになってからあらためて勉強しました。まだまだ知らないことも多く、今も勉強中の身です。特に「現場百篇」をモットーにしていますので、ご案内するコースを自分で何度も回ります。現場に行くことで新しい発見や、知識の空白部分が埋まりピースがつながることがある。そうしてお客様の心をつかむポイントを探しながら、ガイドの時に生かすようにしています。とにかくお客様ファーストです。

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仕事を通じて、地元の歴史や文化に詳しくなった皆さんだからこそ考える、福岡市ならではの歴史的・文化的な特徴や価値は何でしょうか。

安河内さん:博多には、大陸からの文化が最初に入ってきて、それから京都や奈良へ伝わっていったという歴史があります。ガイドする時も「日本で最初に」というキーワードが頻繁に出てくるのですが、福岡市在住のお客様でもご存知ない場合が多いですので、私たちの話を聞いて「へ~っ」と驚き、「福岡って意外とすごいじゃん」と言っていただけるんです。

そのように、お客様が喜んでくださると、自分のものでもないのになんだか嬉しくなって、私たちも誇らしく思えてくるんですよね。ですから、「日本で最初に」さまざまな文化が入ってきたという歴史が、福岡市一番の特徴であり、価値ではないかと思います。

上原さん:私も同じように思います。昨年「博多の始まり処」というツアーを行ったのですが、うどん、そば、饅頭など日本人にとってポピュラーな食べ物の発祥が博多だとお伝えすると、初めてのみなさんは「へ~」と驚きの声とともに、拍手が起こるんです。食文化以外にも宗教やさまざまなものが博多から伝播していますので、古くから博多は大陸の窓口だったと。博多2000年の歴史が価値だと思います。

福岡市全域の歴史的スポットや水辺めぐりもおすすめ

観光ガイドである皆さまがおすすめする、福岡の歴史的なスポットや文化体験ができるスポットはどこでしょうか?

安河内さん:博多駅から徒歩10分ぐらいにある「博多旧市街」がおすすめです。たくさんの神社やお寺があって、無料で入れるところも多いですし、博多ならではの歴史と文化を体感しながら、1時間ほどで歩ける静かなエリアです。

そこでは、承天寺など大きなお寺に立ち寄るのもいいのですが、細い路地をぶらぶら歩くのがおすすめです。古民家をリノベーションしたスタイリッシュな飲食店や、「こんなところにも?」という場所にお地蔵さんがあったり。博多ならではの「角打ち」で一杯ひっかけたり、老舗のうどん屋さんに入ってみたりと、行先を決めず、路地をのんびり歩くと意外なスポットに出会えることもあるので、探検気分で面白いかなと思います。

上原さん:私は福岡市全体が歴史的なスポットだと思うんですね。かつて宿場町で市営地下鉄の終点である姪浜は、街のすぐそばに昔の炭鉱跡があり、古くからの漁港近くには、小さな祠がたくさんある路地がありますし、東部の箱崎方面にも同様に歴史・伝統・文化が感じられる所がたくさんありますので、1日では回り切れないほど楽しめる、大きな歴史的スポットだと思います。

また、天神や博多は、高層ビルがどんどん増えているなか、歴史的な史跡や神社仏閣、昔からの路地が残っていたりと、新旧が共存しながら盛り上げている、そんな絶妙なバランスを楽しみながら散策してみるのもおすすめです。

遠藤さん:歴史的スポットといえば、ビル街にあるとは思えない、天神の「水鏡天満宮」なども魅力的だと思いますが、自然豊かな街でもある福岡でおすすめしたいのは、水辺をめぐることです。

大濠公園のほか、博多湾なら、五島や壱岐・対馬へのフェリーが発着する「博多ふ頭第2ターミナル」から「博多港国際ターミナル」まで歩くのも楽しいです。川辺なら、中洲の博多川と那珂川、呉服町・千代あたりの御笠川周辺。また、中洲の「福博であい橋」や、早良区の百道浜にある2階建ての「ふれあい橋」、東区のアイランドシティから旧かしいかえん方面につながる「あいたか橋」など橋から海を眺めるのもおすすめです。

海や川を眺めながらぼーっと歩いていると、心が豊かになるような気がするんです。それぞれ周辺には観光スポットもありますので、興味のあるところをぜひ歩いてみてください。また「福博であい橋」から出ている「中洲・博多湾クルーズ」なら、川や海から福岡の街を見ることができますので、こちらもおすすめです。

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そのほか、地元民だからこそ知る穴場的なスポットはありますでしょうか。

安河内さん:私のおすすめは「天與庵」というお寺です。最近建て替えられて綺麗になったのですが、路地を進んだ左奥に、小さな枯山水庭園があるんです。背景に周囲のビルが映り込まないこともあって、都心とは思えない良い雰囲気なんです。平日は門が開いていることも多いですし、以前お手入れされていた住職に聞いたら、「どうぞ」と言ってくださったので、入って大丈夫だと思います。

大人数では入れないので、私もガイドをしている時にはご案内はしません。おふたりぐらいで訪れて、静かに鑑賞するのがちょうどいいスポットです。ただし本堂には上がれませんのでご注意ください。

上原さん:「天與庵」の枯山水庭園はいいですよね。昔の職場が近かったので、昼食のあとに私もよく行っていました。承天寺の「洗濤庭」にある樹齢何百年という楠が上に見えて、心がとっても休まるんです。仕事で疲れている時など庭を眺めていると心が休まり活力が湧いてきますので、私もおすすめです。

穴場というか地元では有名ですが、境内にパワースポットがたくさんある「住吉神社」もおすすめです。中でも4、5カ所が特に強力なんです。博多駅からも歩けますし、パワーをもらいたい時におすすめです。詳しく知りたい方は、ぜひ私どものツアーをお申し込みください。ゆっくりとご案内いたします。

地域活性化にもつながる、驚きや発見ある楽しいツアーを

今後、福岡市の観光や文化発信に期待することはどんなことでしょうか。

安河内さん:今はインバウンドの人も増えていますので、観光を盛り上げるには、「福岡よかったよ!」とSNSで発信していただけるような街にしていかなければいけないと思います。単に新しいものを作るということではなく、昔からある素敵な歴史や文化をいかに発信していくかだと思っています。

遠藤さん:団体のお客様に対する観光ツアーも必要だと思いますが、特に歴史や文化を発信するには、私たちがいつも行っているようなface to faceで、声が届く範囲の少人数ツアーも必要だと思います。例えば「博多旧市街」の電柱に「博多博物館」というその地域の歴史を記した案内があるのですが、100人もの大人数だと、見ることができないんですね。

ですから、少人数の観光ツアーをさらに盛り上げるよう、観光に関わる多くの方からサポートをいただきながら、私たちもお客様に喜んでいただけるような、さらに魅力あるツアーを企画していきたいと思います。

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上原さん:私は、ボランティアガイドの活動は、地域活性化にもつながらないといけないと思います。博多だけでなく、天神やほかのエリアにも、歴史的スポットがたくさんありますが、住んでいる地域の歴史を知らない市民は、けっこう多いんですよ。歴史や文化を知ることで地元に愛着がわき、街全体が元気になっていく。それがやがて、福岡市全体の活性化にもつながると思うんです。

ですから、観光客向けだけではなく、市民向けのガイドも行っていきたいと思いますので、各地域の観光団体や、自治会などと連携して、福岡の素晴らしい歴史を内外に発信していければと思っています。

最後に読者のみなさんへ、メッセージをお願いできますでしょうか?

安河内さん:私たちガイドはおもてなしの心をもって、福岡の街を楽しくご案内することをモットーに活動しています。まずは無料ツアーにご参加していただき、もう少し深堀りしたいと思うところが見つかりましたら、お好みの有料ツアーをご利用いただければと思います。

福岡城でもお寺でも、姪浜や箱崎でも、皆さんの行きたい場所からお祭りなどのイベントまで、福岡市内でしたら全域、どこへでも喜んでガイドに向かいます。福岡をより楽しんでいただけるよう、私たちガイドをうまくご利用いただければと思います。

上原さん:観光客の方だけでなく、市内在住の人にも私たちをどんどんご利用いただきたいですね。そうしたら福岡・博多、そして自分の街がもっと好きになりますよ。

遠藤さん:私たちは市外から観光に訪れる人にも、そして上原が申し上げたように福岡市民にも、両方に対して仕事をしています。ただ、残念なことに福岡を旅行された人は、だいたい全部見たからと、2度目に訪れるモチベーションが無く、グルメでもせいぜい2、3度お越しになるくらい。

また福岡の人はかなりの新しいもの好きで、すぐに飽きる人が多いんですね。そのせいもあるのか、東京の飲食店で食事をした後は「ありがとうございました」、大阪だったら「おおきに」で終わるところ、福岡では「またお願いします」とおっしゃいます。

だから定時でも派遣でも、私たちのツアーに参加していただいた人には、2度、3度とリピートしていただけるよう、「またお願いします」と私は言い続けたいと思います。

安河内さん:切り口をいろいろと変えながら、お客様が「へ~」と言ってくださるような新しいまち歩き企画もどんどん行っていきたいと思いますので、私たちのホームページや「よかなび」で情報を見ていただいたら、ぜひポチッとクリックしていただければ幸いです。

インタビューで紹介したスポット

「福岡市観光案内ボランティアガイド」

博多や天神を中心に、福岡市全域の観光案内を行うボランティアガイドの団体。福岡市内の歴史・文化などの知識とともにご案内のノウハウなどを習得したガイドが、さまざまな観光スポットを案内してくれます。既定のコースだけでなく、カスタマイズツアーにも対応。募集型の企画ツアーも人気です。

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