田川基成写真展『海の記憶』【LIBRIS KOBACO】2024年 〜故郷・長崎の島々や海辺を巡り中判フィルムで撮影した作品を展示〜
2024年12月7日 〜 2025年1月19日 大濠・六本松エリア田川基成写真展『海の記憶』、LIBRIS KOBACOで開催!
故郷である長崎の島々や海辺を巡る旅をしながら中判フィルムで撮影した作品を展示。
LIBRIS KOBACOで12月7日(土曜日)から開催中の田川基成写真展『海の記憶』。
この写真展では、長崎県の離島出身である写真家・田川基成が、自身の故郷である長崎の島々や海辺を巡る旅をしながら中判フィルムで撮影した作品が並びます。
そして写真作品だけではなく、作家本人が今展示の為に書き下ろしてくださったエッセイもみなさんに読んで頂くことができる展示となります。
田川基成写真展『海の記憶』にてみなさまを心よりお待ちしております!
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波の音。潮の香り。海はいつも目の前に広がっていた。
リアス式地形の複雑な海岸線をもつ長崎県の海には 、約1500もの離島が浮かぶ。海の向こうに見える島へ渡ると、そこから自分が旅立った海岸や、別の島が見えてくる。さらに先に浮かぶ島に渡ると、また違う島と風景が立ち現れる。長崎の海は、そうした見る、見られるを延々と繰り返す環世界だ。私はそんな島のひとつで育った。
私が実家のある島を離れたのは、16歳になる年だった。それから長崎市内、北海道、東京と暮らしてきた。そうして人生の半分を故郷の外で過ごすようになった頃。自分の故郷の海のことを、もっと知りたくなってきた。
以来私は、海岸から島、島から島へと渡り、撮影を重ねてきた。そこにある無数の海岸で太古から、そして今も人が暮らしている。人はなぜ海を眺め、海を渡るのだろうか。
故郷の海を巡る旅。そこで出会ったのは、初めてなのにどこか懐かしい風景、来たことのあるようでまだ見ぬ土地と、昔から知っていたような気がする人たちの顔だった。
– 田川基成 –
///作家プロフィール///
田川基成
1985年生まれ。長崎県西海市の離島出身。
これまでに暮らしてきた場所と旅の経験を通して、人の移住や土地と記憶などに関心を持ち作品を制作する。
北海道大学農学部森林科学科を卒業後、2010年から東京で編集者、記者として働き、後に写真家となる。
千葉県の団地に暮らすイスラム教徒のバングラデシュ移民家族の5年間を撮った「ジャシム一家」で第20回三木淳賞。故郷・長崎の海への旅を記録した写真集・写真展「見果てぬ海」で2022年日本写真協会新人賞。在日韓国人作家・尹紫遠の生涯を追った『密航のち洗濯』(2024,柏書房,共著[写真撮影及び編集])で第46回講談社ノンフィクション賞を受賞。
2021年秋より福岡県糸島市に暮らす。
写真集
『見果てぬ海』(2020,赤々舎)
主な個展
2022 「SAPPORO SNOWSCAPE」(Alt_Medium /東京 )
2022 「見果てぬ海」(伊都郷土美術館 /糸島市 )
2021 「NAGASAKI SEASCAPES」(Alt_Medium /東京 )
2021 「見果てぬ海」(コクラヤギャラリー / 長崎、ESSE /札幌、HOGET/西海市 )
2020 「見果てぬ海」(Nikon Plaza 東京・大阪 )
2020 「Vernacular Churches」(Alt_Medium / 東京 )
2018 「ジャシム一家」(Nikon Plaza 東京・大阪 )
2018 「ジャシム一家」(札幌市教育文化会館/北海道 )
2017 「ジャシム一家」(Nikon Salon 銀座・大阪 )
グループ展
2024「re-flaming」 (塩竈フォトフェスティバル/宮城)
2016「Photobook as Object展」(RPS / 東京)
2015 「Between the Rivers」(東川国際写真祭/北海道)