光野浩一 個展『PHANTOM PAIN』【アートスペース貘】2024年
開催終了 天神・薬院エリア個人の生と移りゆく社会の関係や繋がりの可能性・断絶について考えるための空間を提供する個展。
インスタレーション『 PHANTOM PAIN 』開催。
光野浩一は福岡を拠点に発表活動を続ける、宮崎市在住の造形作家。宮崎に現代美術が根付かない1990年からの活動ですが、トレンドセッターとしてではなく、自己、ひいてはこの時代に生きる人間の姿を見つめ続けるために表現に関わり続けています。
今回の展示作はインスタレーション『 PHANTOM PAIN 』。
展示室床面に配したジオラマ状のユニットと上から吊られたビニールコートからなる空間造形です。題名の意味は、「幻肢痛」。事故などで失った手足を未だあるように感じ、その幻の部分に痛みを覚えるという症状を指します。
生き方の多様性が叫ばれ様々な声が上げられる時代となっても個人の生き辛さの正体は明らかにできず、人は埋めがたい心の欠落を意識しながらも社会との関係性の構築に生きる意味を見出そうとし、また、生きた証を遺そうとしています。その欠けや痛みはいつか解消できるものなのでしょうか。そもそも原初には欠落などなかったのでしょうか。
この展示では個人の生と移りゆく社会の関係や繋がりの可能性・断絶について考えるための空間を提供します。