過去最大規模のバンクシー展 福岡初上陸
2021年7月6日2018年からモスクワ、マドリード、リスボン、香港など世界5都市や横浜、大阪、名古屋で100万人以上を動員している展覧会『LANDIC presents BANKSY GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)』が福岡市にやってきました。
イギリスを拠点に、世界的に注目されるアーティストのバンクシーは、作品を通して社会や政治に鋭い意見を示し、作品が発見された際には世界中で大きな話題になります。今回の展示会は、複数の個人コレクターの協力のもと、オリジナル作品や版画、立体オブジェクトなどが過去最大級の規模で展示されています。
入口を入ると、大きな3面スクリーンが迎えてくれます。これまでの活動がイメージ映像で紹介されています。制作風景が想像されて、一気にバンクシーの世界に入り込んでいきます。
冒頭の映像を抜けると、テーマに分かれて様々な作品が展示されています。今回の展示会は、70点以上の作品の音声ガイドがウェブサイトで無料で提供されていますので、解説に合わせて作品を楽しむことができます。
2階に上がると、政治や監視カメラなどに関する作品が展示されています。その中には、初期作品のひとつ『ラブ・イズ・イン・ジ・エア』もあります。作品に描かれている男は火炎瓶ではなく、花束を持っており、パレスチナ人の人権を訴えています。
2006年にロンドンの中心部「ハイド・パーク」近くの湖水泳場に設置された標識の作品『ノー・スイミング』は、日常の風景に異質な物を置いたのにも関わらず、標識が変だ、とは気付かれず、3週間ほど誰にも注目されませんでした。日常で目にするものを疑わず、真実を見ようとせず、目の前の世界を考えもせず盲目的に信じてしまう人間や社会への批判をしていると解釈できる作品です。
バンクシーは街自体をキャンパスに、独特なユーモアを加えて権利や不公平のことを問いかけ続けてます。見る人にとっては、作品に対していろんな解釈ができることが一番の魅力となっています。
2018年に大きな話題になった、バンクシーの代表作品の一つ『ガール・ウィズ・バルーン』も展示されています。ロンドン・サザビーズのオークションに出品されたこの作品は、オークション中にバンクシー自身の仕掛けた機械によって切り裂かれました。特におすすめしたいのは、会場に事件に向けた準備期間の映像も流れて、事件を違う角度で見ることができます。
過去最大規模のバンクシー展を見ながら、いろんな課題を改めて考えてみませんか。彼は一体何者なのか。GENIUS OR VANDAL?
是非、その目でお確かめください。