『第九特別公演』~「第九」日本人初演100周年記念事業【アクロス福岡シンフォニーホール】2024年 ~その他関連イベントも開催!
●九大フィルハーモニー・オーケストラ『第九特別公演』:2024年9月16日●「第九」日本人初演100周年記念事業公開講演会:2024年3月20日、4月21日、5月19日、7月14日、9月14日、10月6日 天神・薬院エリア
九大フィルハーモニー・オーケストラが『第九特別公演』を実施!
九州大学「第九」日本人初演100年記念事業
ベートーヴェンが作曲した交響曲第9番は「歓喜の歌」あるいは「第九」として親しまれ、国民的楽曲として年末を中心に全国各地で演奏されています。
本曲は1824年にウィーンで初めて演奏されましたが、その100年後の1924年1月26日、九大フィルハーモニー・オーケストラ(以下「九大フィル」)の前身である九州帝国大学フィルハーモニー会が、昭和天皇の御成婚を祝って有名な第4楽章を日本人で初めて演奏しました。さらに同年11月に東京音楽学校(現、東京藝術大学音楽学部)のオーケストラが日本人で初めて「第九」の全楽章を演奏しました。
九州大学ではこれを記念して「第九」の特別演奏会とともに、「第九」や大学が果たした文化創造に関する講演会や展示会、記念講義などを開催します。みなさんの心を動かす企画をご用意しています。多くの方のご参加をお待ちしております。
「第九」特別演奏会。初演から200年、日本人による初演から100年にあたる年である「2024年」に開催される九大フィルハーモニー・オーケストラによる特別公演。
九大フィルハーモニー・オーケストラは、1909年に創立された日本で最も長い伝統と歴史を有する学生オーケストラの1つです。様々な作曲家の楽曲を初演し、明治から大正にかけて日本のオーケストラの礎を築きました。
戦後、石丸寛氏(九州交響楽団創立者、永久名誉指揮者)や荒谷俊治氏(元日本指揮者協会会長、九大法・文卒)、堤俊作氏(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団創立者)の指導のもと、発展を遂げ、2014年には鈴木優人氏をミュージック・アドバイザーに迎え、さらなる活動の充実を図っております。
2018年には九大フィル創立110周年・伊都キャンパス完成を記念して第一回東京公演を、そして2022年には第二回の東京公演を挙行し、大盛会のうちに幕を下ろしました。
今回、第九初演から200周年、九大フィルによる日本人初演から100周年を迎えることを記念し、当時の演奏を再現すべく、特別公演を開催する運びとなりました。
九大フィルハーモニー・オーケストラ『第九特別公演』
日時:
2024年9月16日(月曜日・祝日)13時開場/14時開演
会場:
福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
指揮:
鈴木優人
独唱:
ソプラノ 澤江衣里
アルト 布施奈緒子
テノール 山本耕平
バリトン 加藤宏隆
曲目:
・第一部
100年前の「摂政宮殿下御成婚奉祝音楽会」再演
メンデルスゾーン/結婚行進曲
初演「新編奉祝歌」の再演
・第二部
ベートーヴェン/交響曲第9番ニ短調「合唱付き」
≫第九特別公演 特設ページ(九大フィルハーモニー・オーケストラ)
【関連イベント】
「第九」日本人初演100周年記念事業公開講演会
「歓喜の歌」あるいは「第九」として日本人に広く親しまれているベートーヴェン作曲の交響曲第9番は、1824年にウィーンで初めて演奏され、その100年後の1924年1月26日に九州帝国大学フィルハーモニー会(現、九大フィル)が昭和天皇の御成婚を祝って有名な第4楽章を日本人で初めて演奏しました。今年2024 年は「第九」初演から200年、日本人初演から100年にあたります。
九州大学ではこれを記念して文化芸術に関する6回の公開講演会を開催いたします。
会場のお席には限りがございます。遠方の方はオンライン聴講も可能です。参加・聴講をご希望の方は事前に各回の申し込み窓口よりお申し込みください。多くの方のご参加をお待ちしております。
対象:一般向け、高校生向け、小・中学生向け、在学生・教職員向け、その他
参加費:無料
第1回「キックオフ講演会~九州大学の社会文化活動」
講師:松村晶氏(九大名誉教授・久留米高専校長)ほか
日時:2024年3月20日(水曜日・祝日)14時~16時
会場:九州大学医学部百年講堂
「第九」日本人初演100 周年を記念した企画シリーズの初回として、松村晶(九大名誉教授)が「九州大学と「第九」」と題した講演で両者の関わりを紹介し、その後に本記念事業の企画に携わっている岡﨑敦(九大名誉教授)、藤岡健太郎、赤司友徳(大学文書館)、三島美佐子(総合研究博物館)、栫大也(芸術工学府大学院生)、十島慎太朗(九大フィル学生)の6名を交えたパネルディスカッションにより、九州大学が地域社会に果たしてきた文化活動や記念事業への期待を明らかにする。
※要事前申込
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第2回「九大フィルの《第九》上演と「替え歌文化」~明治大正期日本のもうひとつの西洋文化受容」
講師:渡辺裕氏(東京大学名誉教授)
日時:2024年4月21日(日曜日)14時~15時30分
会場:九州大学医学部百年講堂
1924(大正13)年に行われた九大フィルによる「第九」上演は、日本人による「第九」演奏の嚆矢とされつつも、第4 楽章だけが「皇太子殿下御成婚奉祝歌」という形で上演されたことから、その価値を割り引いて評価されるきらいがあった。しかし本当にそう考えて良いのだろうか。この講演では、背景にあった当時の日本の音楽文化の状況や西洋文化との付き合い方を見直してみることで、そこにあった別の意味や価値を探り出すことを試みる。
※要事前申込
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第3回「大学オーケストラと近代日本」
講師:片山杜秀氏 (慶応義塾大学教授)
日時:2024年5月19日(日曜日)14時~15時30分
会場:九州大学医学部百年講堂
クラシック音楽の歴史はプロフェッショナルな作曲家や演奏家の系譜で辿られがちである。だが、近代日本におけるクラシック音楽文化の発展となると、それではうまく語れまい。日本人のプロの作曲家や演奏家が音楽を広めて行くよりも、アマチュアがレコードを聴き、楽譜を読み、楽器を習って、余暇に演奏活動することの方が、歴史全体から見て、発展に寄与するところがとても大きかったのではないか。大正から昭和初期にかけては恐らくかなりそうであった。そうした角度から大学オーケストラの歴史的な役割と意義に触れたい。
※要事前申込
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第4回「福岡における久保猪之吉の文化活動~「エニグマ」を中心として」
講師:神谷優子氏(福岡市総合図書館文学・映像課、福岡市文学館特別資料専門員)
日時:2024年7月14日(日曜日)14時~15時30分
会場:九州大学西新プラザ大会議室
京都帝国大学福岡医科大学の耳鼻咽喉科教授として来福した久保猪之吉は、医療活動への貢献とともに、この地に大きな文化的潮流を起こした。その一つに、福岡初の文芸雑誌となる「エニグマ」の創刊があげられる。この「エニグマ」を中心に、福岡における久保猪之吉の文化活動について話す。
※要事前申込
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第5回「指揮者から見たベートーヴェンの『第九』」
講師:鈴木優人氏(指揮者・鍵盤奏者・九大客員教授)
日時:2024年9月14日(土曜日)14時~15時30分
会場:九州大学伊都キャンパス人文系大講義室
ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱つき」は規模といい内容といいその当時の交響曲の常識を遥かに超えた革新的な作品であり、200年経った現代でも演奏する者にとって多くの課題がある。9月16日の特別演奏会を直前にして、指揮者の目から見た演奏上の課題や思いをこの曲の内容とともに楽しく紹介したい。加えて100年前に榊保三郎教授が企てた替え歌での演奏についても演奏者の視点で解説する。特別演奏会がさらに楽しくなる話題でいっぱい。
※要事前申込
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第6回「響け!オーケストラ~オーケストラを輝かせるコンサートホールの音響設計」
講師:豊田泰久氏 (音響設計家)
日時:2024年10月6日(日曜日)14時~15時30分
会場:九州大学医学部百年講堂
講演者はこれまで世界中の多くのコンサートホールの音響設計に関わってきた。演奏者が奏でる音楽表現が聴衆によりよく伝わるには、客席だけでなくステージ上の音響も課題になる。このとき九州芸術工科大学(現・九州大学芸術工学部)在学中に参加していたオーケストラの演奏経験は大きくものを言う。本講演ではオーケストラ奏者の観点も交えてコンサートホールの音響設計について楽しく語りたい。
※要事前申込
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★展示会
本学の大学文書館と東京藝術大学にはそれぞれ九大フィル創立以来の古い楽譜と創立者の榊保三郎教授が私有していた楽譜が各々1,000 点近く保存されています。
これらを精査したところ九大フィルが日本人初の「第九」演奏に使った楽譜が見つかり、謎だった演奏の全容が明らかになりました。これらの貴重な史料を公開展示します。また、ウェブサイトでも公開予定です(日程未定)。お楽しみに!