特集展示 玉 古代を彩る至宝【九州国立博物館】
開催終了 福岡市近郊エリア
個々の地域研究だけでは見えにくかった日本の古代史全体の大きな流れを解明するために、古代歴史文化にゆかりの深い14県は平成26年度に古代歴史文化協議会を設立し、互いに連携して共同調査研究をおこなってきました。本展覧会は、そのテーマとなった「古墳時代の玉類」の研究成果を広く情報発信するものです。
古代より人々は玉に対して身を飾る美しさだけでなく、魂・霊(“タマ”)に通じる神秘性を見いだし、特別な存在として大切に取り扱ってきました。古代の権力構造や地域間関係、さらには精神世界を解明するうえで、玉は極めて重要な手がかりとなります。
また、玉は当館の理念「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」とも深い繋がりを有します。卓越した技術や稀少素材を用いた玉は「古代の宝石」であり、質量も小さいことから交易財として高い価値と利便性を有していました。このため、古墳時代の玉には遠くシルクロードを含むアジア各地から運ばれてきた玉も含まれており、国際色豊かな資料の一つです。いにしえの人々の美意識の結晶ともいえる玉の魅力と歴史的意義を感じていただければ幸いです。
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