ガイドブックにはない魅力を発見!福岡市観光案内ボランティアによる「博多・天神まち歩き 無料定時ツアー」
2022年5月27日美しい自然とともに、多彩な伝統や文化が息づく福岡市。九州の玄関口として賑わう一方で、歴史ロマンを感じられる観光名所や文化施設がたくさん残っています。「博多・天神まち歩き 無料定時ツアー」では、知識豊富なボランティアガイドが、街の魅力を伝えるために毎日無料で観光案内を行っています。事前予約が不要なので、旅行中などに気軽に参加することができますよ。
博多と天神、それぞれのコースがあり、どちらも福岡を代表する観光名所を訪れます。スポットの概要はもちろん、時には知られざるエピソードも教えてもらえるので、福岡に住んでいる方にもおすすめです。参加する場合は、開始10分前までに各コースの集合場所へ。今回はツアーに密着して、各コースの見どころを紹介していきます。
■博多まち歩き
中世日本最大の貿易港湾都市として栄え、豊臣秀吉の「太閤町割り」によって現在につながる町の区画の基本が築かれた博多。旧市街を散策していると、いたる場所でいにしえのロマンを感じることができます。「博多まち歩き」コースでは、町の歴史を語るうえで欠かすことのできない寺社を中心にめぐります。
①櫛田神社
まず訪れたのは、古くから博多の総鎮守として崇敬されている「櫛田神社」。全国的に有名な7月の博多祇園山笠や、高さ約5mの「お多福面」が設置される2月の節分大祭などの祭事は、四季を彩る風物詩として多くの市民に親しまれています。ツアーでは境内を歩きながら、厳かな雰囲気を醸す本殿や常設されている博多祇園山笠の飾り山などを見ていきます。博多塀(はかたべい)と呼ばれる土塀に石や瓦が埋め込まれている理由など、ガイドさんの説明に思わず引き込まれます。
⓶「博多町家」ふるさと館
続いて、博多コースの集合場所でもある「『博多町家』ふるさと館」へ。明治・大正期を中心とした、博多の暮らしや文化を紹介する施設です。3つの棟で構成され、明治中期の町家を移築復元した町家棟では福岡の特産品である博多織の実演や手織りの体験を楽しむことができます。ツアーでは入館しないため、気になる方はぜひ参加前後に見学してみてください。※展示棟のみ入館料(大人200円、中学生以下無料)が必要です。
③龍宮寺
さて、博多には人魚伝説があることをご存知ですか? 次に訪れた「龍宮寺」には、鎌倉時代に、漁師の網にかかった人魚の骨が埋葬されていると伝えられています。「人魚は龍宮の使い」ということで、寺の名を「浮御堂(うきみどう)」から「龍宮寺」と称するようになったそうです。本堂にはなんと、人魚のものといわれる骨と、江戸時代に描かれた人魚の掛け軸が保存されています(非公開)。ツアーでガイドさんの説明を聞いていると、人魚が見つかった時の風景が目に浮かぶようです。
④東長寺
いよいよコースの最終地点となる「東長寺」へ。弘法大師(空海)が日本で最初に創建したお寺です。黒田家の菩提寺でもあり、敷地には二代・忠之公、三代・光之公、八代・治高公の墓所があります。ツアーでは、木造坐像として日本最大級の大きさを誇る「福岡大仏」や、めずらしい回転式の六角堂など、お寺の見どころを説明してもらえます。「福岡大仏」の台座の下には暗闇の回廊「地獄・極楽めぐり」(拝観料50円)があるので、気になる方はツアー後に試してみてはいかがでしょうか。
■博多まち歩き
時間/14:00(所要時間約60分)※開始10分前までに集合
休み/毎月第4火曜日(変更の場合あり)、「博多町家」ふるさと館の休館日(第4月曜※祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/28〜1/3)、その他荒天時やイベント開催時など
※荒天などによる中止のお知らせは、ホームページのトピックス・Facebookをご確認ください。
集合場所/「博多町家」ふるさと館 展示棟前 (福岡市博多区冷泉町6-10)
定員/先着6名程度 ※団体でのお申込みは有料です。
問い合わせ/福岡市観光案内ボランティア(公益財団法人 福岡観光コンベンションビューロー内)
電話:092-733-5050(受付時間:平日9:30~17:00※土日祝・年末年始休み)
ホームページ/https://www.welcome-fukuoka.or.jp/kankouannai/
■天神まち歩き
九州随一の繁華街として、買い物客や観光客で賑わう天神。高層ビルや商業施設が建ち並ぶ街には、福岡に住む人も知らないような面白い発見がたくさんあります。天神中心部の歴史あるスポットをめぐる「天神まち歩き」コースで、街の魅力を掘り下げてみましょう!
①渡辺通り
天神コースは、ライオン広場にある福岡市観光案内所に集合。天神を南北に貫く「渡辺通り」を渡って、最初の目的地である「福岡市役所」へと向かいます。その途中では、「渡辺通り」の成り立ちや名前の由来などを教えてもらえます。
②福岡市役所1階市民ロビー
「福岡市役所」の1階にある市民ロビーに到着。床には福岡の市街地を俯瞰できる空中写真があり、その上に立って街の概要を知ることができます。ほかに、福岡の伝統工芸品・博多人形によって再現された博多祇園山笠と博多どんたくの様子も見ることができます 。
③天神中央公園
続いて、都心のオアシスとして多くの人々に親しまれている「天神中央公園」へ。花の名所としても知られ、春になると薬院新川沿いにヤマザクラのトンネルができます。公園一帯にはかつて“ある建物”があり、今もその門柱が残されています。“ある建物”の正体は、ぜひガイドさんに尋ねてみてくださいね!
④アクロス福岡
「天神中央公園」には、コンサートホールなどを有する複合施設「アクロス福岡」が隣接しています。南側の壁面には、「アクロス山」と呼ばれる階段状のステップガーデンが整備され、実際に登ることができます(屋上展望台は土・日・祝日10:00~16:00に開放)。さて、突然ですがここで問題です。1995年の開館当初、ステップガーデンには76種・37,000本の木が植栽されていましたが、今では120種類・50,000本ほどになりました。一体どのようにして増えたのでしょうか? 答えは…ツアーでご確認を。
⑤旧福岡県公会堂貴賓館
「アクロス福岡」から薬院新川を渡ると、クラシカルな佇まいの洋館が見えてきます。1910年(明治43年)、第13回九州沖縄八県連合共進会の開催に際し、来賓接待所として建設された「旧福岡県公会堂貴賓館」です。1984年(昭和59年)には、希少なフレンチルネサンス様式の木造建築物として、国の重要文化財に指定されました。ツアーでは入館しませんが、中にはノスタルジックな雰囲気のカフェがあります。※入館料(大人200円、15歳未満100円)が必要です。
⑥水上公園
続いて向かったのは、1924年(大正13年)に裕仁親王(後の昭和天皇)の御成婚記念事業として整備された「水上公園」です。2016年には、水辺空間を活用した憩いの場として再整備され、レストラン施設「SHIP’S GARDEN」がオープンしました。ツアーでは、その屋上デッキから美しい街並みを満喫できます。建物が船の形状をしているため、まるで那珂川を進んでいるような感覚を楽しめます。
⑦水鏡天満宮
「水上公園」からの眺めでリフレッシュした後は、ビルの谷間にひっそりと建つ「水鏡天満宮」へ。学問の神様として有名な、天神様こと菅原道真が祀られていて、天神の地名はこの神社に由来しています。ツアーでは神社の名称の由来や、福岡県出身の元総理大臣・広田弘毅が書いた鳥居の文字についてなど、興味深い話を聞くことができます。
⑧福岡市赤煉瓦文化館
ラストを飾るのは、赤煉瓦と白い花崗岩の外壁が目をひく国の重要文化財「福岡市赤煉瓦文化館」です。日本を代表する建築家・辰野金吾と片岡安の設計により、日本生命保険株式会社九州支店として、明治42年(1909年)に竣工しました。2019年にリニューアルし、館内にはコワーキングスペースやカフェ&バーなどが設けられています。ツアーでは外観を眺めながら、建物の特徴などについて説明してもらえます。
■天神まち歩き
時間/10:30、14:00(所要時間約60分)※開始10分前までに集合
休み/毎月第4火曜日の午後(変更の場合あり)、年末年始(12/28〜1/3)、その他荒天時やイベント開催時など
※荒天などによる中止のお知らせは、ホームページのトピックス・Facebookをご確認ください。
集合場所/福岡市観光案内所(福岡市中央区天神2-1-1ライオン広場内)
定員/先着6名程度 ※団体でのお申込みは有料です。
問い合わせ/福岡市観光案内ボランティア(公益財団法人 福岡観光コンベンションビューロー内)
電話:092-733-5050(受付時間:平日9:30~17:00※土日祝・年末年始休み)
ホームページ/https://www.welcome-fukuoka.or.jp/kankouannai/
ガイドさんから語られる各スポットのエピソードは、誰かに教えたくなるようなものばかり。巧みな話術も相まって、1時間のツアーはあっという間。各スポットの歴史背景を知ることで、これまで以上に博多と天神に魅力を感じるはずです。一度参加すると、福岡が観光都市であることを再認識させられることでしょう。
※各スポットの説明内容は、ガイドにより異なる場合があります。