特別企画 吉永小百合特集【福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ】日本映画を代表する女優・吉永小百合の特集
開催終了 百道・早良エリア女優・吉永小百合出演の名作映画12本を上映!
福岡市総合図書館ではアジア映画や郷土福岡に関係する歴史的・芸術的・文化的に貴重な映画を収集しております。映像ホール・シネラではこれらの貴重なフィルムを中心に上映を行っています。
11月は日本映画を代表する女優・吉永小百合を特集します。
観覧料
600円(大人) 500円(大学生・高校生) 400円(中学生・小学生)※定員制。各回入替制。※チケットはすべて当日券。前売り券はありません。※障がい者の方及び福岡市在住の65歳以上の方は300円。(手帳や保険証などの提示が必要です。)
吉永小百合
1945年東京生まれ。小学5年生の時、ラジオ東京の「赤胴鈴之助」の子役に応募して採用される。59年松竹の「朝を呼ぶ口笛」で映画デビュー。高校進学と同時に日活入社。日活第一作は赤木圭一郎主演の「拳銃無頼帖電光石火の男」(60年)。同年「ガラスの中の少女」で早くも主役を演じる。翌61年には16本の映画に出演する人気女優となる。「キューポラのある街」(62年)でブルーリボン賞主演女優賞を受賞。「いつでも夢を」がレコード大賞を受賞するなど、アイドルスターとしての人気を博する。「泥だらけの純情」(63年)「愛と死をみつめて」(64年)などの作品に出演。66年から「吉永小百合ショー」等のテレビ番組に出演。69年、多忙な女優でありながら早稲田大学を卒業。映画では「青春の門」(75年)「皇帝のいない八月」(78年)等があるが、総じて70年代は作品的に不遇であった。80年代に入りテレビドラマ「夢千代日記」(81年)で人気を博す。映画「細雪」(83年)の雪子役はそれまでの最高ともいえる評価を獲得。大人の女優としての評価を確立した。以後「映画女優」(87年)「華の乱」(88年)「夢の女」(93年)等日本を代表する女優として活躍。2014年自身初のプロデュース作品「ふしぎな岬の物語」がモントリオール映画祭で審査員特別大賞、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。人気・実力を兼ね備えた日本を代表する映画人であり、まだこれからの活躍が嘱望される。2006年紫綬褒章受章。
2018年11月 シネラ上映スケジュール | |||
1日 | 木曜日 | 11:00 若い人 | 14:00 キューポラのある街 |
2日 | 金曜日 | 11:00 いつでも夢を | 14:00 青春の門 |
3日 | 土曜日・祝日 | 11:00 つる―鶴― | 14:00 おはん |
4日 | 日曜日 | 11:00 青い山脈 | 14:00 夢千代日記 |
5日 | 月曜日 | 休館日 | |
6日 | 火曜日 | 休映日 | |
7日 | 水曜日 | 11:00 若い人 | 14:00 つる―鶴― |
8日 | 木曜日 | 11:00 おはん | 14:00 映画女優 |
9日 | 金曜日 | 11:00 キューポラのある街 | 14:00 夢千代日記 |
10日 | 土曜日 | 11:00 映画女優 | 14:00 おはん |
11日 | 日曜日 | 11:00 いつでも夢を | 14:00 つる―鶴― |
12日 | 月曜日 | 休館日 | |
13日 | 火曜日 | 休映日 | |
14日 | 水曜日 | 14:00 母べえ | |
15日 | 木様日 | 11:00 泥だらけの純情 | 14:00 青い山脈 |
16日 | 金曜日 | 11:00 いつでも夢を | 14:00 玄海つれづれ節 |
17日 | 土曜日 | 11:00 若い人 | 14:00 映画女優 |
18日 | 日曜日 | 11:00 泥だらけの純情 | 14:00 夢千代日記 |
19日 | 月曜日 | 休館日 | |
20日 | 火曜日 | 休映日 | |
21日 | 水曜日 | 14:00 青春の門 | |
22日 | 木曜日 | 11:00 玄海つれづれ節 | 14:00 母べえ |
23日 | 金曜日・祝日 | 11:00 キューポラのある街 | 14:00 青春の門 |
24日 | 土曜日 | 11:00 青い山脈 | 14:00 玄海つれづれ節 |
25日 | 日曜日 | 11:00 泥だらけの純情 | 14:00 母べえ |
※11月26日(月曜日)~30日(金曜日)は休映日
[上映作品]
キューポラのある街
1962年/35ミリ/モノクロ/99分/日活
監督:浦山桐郎 出演:吉永小百合 浜田光夫
埼玉県川口市。朝鮮戦争が終わり、多くの工場が不景気だった。高校受験を目指すジュンの父親は工場を解雇されてしまう。修学旅行に行くお金もないジュンは進学をあきらめるのだが、先生たちの励ましで定時制高校に行く決心をする。浦山桐郎監督のデビュー作で吉永小百合を一躍スターにした記念すべき傑作。当時18歳の吉永小百合は史上最年少でブルーリボン賞主演女優賞を受賞した。
若い人
1962年/35ミリ/カラー/90分/日活
監督:西河克己 出演:吉永小百合 石原裕次郎
ある女学校。新任教師の間崎は生徒たちの人気者。間崎のクラスの江波恵子は頭は良いが少し変わっていた。それは恵子の家庭環境から来るもので、間崎と同僚の橋本スミ子は間崎なら恵子を救えるかもと考える。しかし恵子は間崎の子供を妊娠したとデマを流すのだった。石坂洋次郎の同名原作の映画化で、本作が3度目の映画化。石原裕次郎、浅丘ルリ子、吉永小百合の豪華な共演による青春ドラマ。
いつでも夢を
1963年/35ミリ/カラー/89分/日活
監督:野村孝 出演:吉永小百合 橋幸夫
東京の下町。ひかるは夜間の定時制高校に通いながら、昼は看護師として働いていた。病院の近くの森田製作所の木村はひかると仲が良かった。ある日トラック運転手の岩下がひかるを好きになり、木村に勝負を持ち掛ける。「いつでも夢を」は橋幸夫と吉永小百合のデュエットで62年に発売された曲で、レコード大賞を受賞した。本作はその曲を元に作られた歌謡映画。それ以外にも吉永小百合の「寒い朝」、橋幸夫の「潮来笠」など数多くの歌が挿入されている。
青い山脈
1963年/35ミリ/カラー/100分/日活
監督:西河克己 出演:吉永小百合 浜田光夫
ある女子高に寺沢新子が転入してくる。新子は前の学校で恋愛問題のため退校になったと噂されていた。ある日新子は担任の島崎のところに来て、ラブレターをもらった事を告げる。そしてこれは級友のいたずらだと言うのだった。石坂洋次郎の同名原作の映画化で、本作が2度目の映画化。吉永小百合、浜田光夫、高橋英樹など若いスターたちによるフレッシュでコミカルな青春ドラマとなっている。
泥だらけの純情
1963年/35ミリ/カラー/91分/日活
監督:中平康 出演:吉永小百合 浜田光夫
ヤクザの次郎は不良学生に絡まれている真美を助ける。二人はお互いに好意を抱くのだが、真美は外交官の娘だった。真美の母親は二人の仲を裂こうとするが、二人は逃げ出してしまう。そしてこれはヤクザによる外交官令嬢の誘拐事件と報道される。ゴールデンコンビとして数多くの作品に共演する吉永小百合と浜田光夫の、純愛映画の最高作の1本とされる作品。吉永小百合自身も最も気に入っている作品の一つとして本作を挙げている。
青春の門
1975年/35ミリ/カラー/188分/東宝
監督:浦山桐郎 出演:吉永小百合 仲代達矢
大正7年の筑豊。炭鉱夫・伊吹重蔵は、ヤクザの塙竜五郎と女給のタエを取り合い、結婚する。やがて重蔵は炭鉱事故で死亡。昭和20年。重蔵の息子・信介はタエと竜五郎の世話で成長していく。五木寛之の同名原作の「筑豊篇」の映画化。大正から昭和の激動の時代を背景に成長する伊吹信介を描く。映画の冒頭には山本作兵衛の絵が使用されている。吉永小百合はタエを演じている。(途中5分の休憩あり)
おはん
1984年/35ミリ/カラー/113分/東宝
監督:市川崑 出演:吉永小百合 石坂浩二
大正時代。古物商を営む幸吉は芸者のおかよと馴染みになり、おかよの家に住み込んでしまう。妻のおはんは実家に帰る。7年がたち、ある日幸吉はおはんと出会い、懐かしさから二人は逢瀬を重ねるようになる。原作は宇野千代の同名小説。一途なおはんを吉永小百合、情熱的なおかよを大原麗子、二人の間を行き来する優柔不断な男を石坂浩二が演じ見事なアンサンブルを見せる作品。
夢千代日記
1985年/35ミリ/カラー/128分/東映
監督:浦山桐郎 出演:吉永小百合 北大路欣也
山陰の温泉町・湯村にある芸者の置屋「はる家」。永井左千代こと夢千代は母から受け継いだはる家を経営していたが、広島で被爆しており、余命いくばくもないことを知らされていた。町に旅芝居の春川一座がやって来る。一座の宗方と知り合った夢千代だが、宗方は15年前父親を殺して指名手配されていた。NHKのテレビドラマとして話題となった「夢千代日記」の完結編。吉永小百合にとっては5年に渡って演じた思い入れの深い役であり、巨匠・浦山桐郎監督の遺作となった。
玄海つれづれ節
1986年/35ミリ/カラー/135分/東映
監督:出目昌伸 主演:吉永小百合 八代亜紀
事業に失敗した山岡駿介は負債を残して失踪する。駿介が九州に向かったことを知った妻のゆきは、駿介を追って故郷・北九州に帰って来る。昔の友人たちと共にゆきは駿介を探し出す。北九州・若松に住む人々を愛情込めて描いた人情コメディ映画。吉永小百合が優しい女性から逞しい女性に成長していく。吉永小百合と八代亜紀のコンビは珍しく、二人が歌う「キャバレー・フラミンゴ」も楽しい。
映画女優
1987年/35ミリ/カラー/130分/東宝
監督:市川崑 出演:吉永小百合 菅原文太
大正14年。田中絹代は松竹蒲田撮影所の女優として採用された。新人監督清光宏の推薦であり、清光監督は田中絹代に良い役をあてがうのだった。清光監督は絹代に好意を持っており、やがて二人は撮影所所長・城都の提案で試験結婚として同棲を始める。しかし女優として忙しい絹代は家事も満足にできない。やがて二人の関係は破綻するが、絹代は「伊豆の踊子」や「愛染かつら」などの大ヒットに主演、人気スターとなっていく。 原作は新藤兼人監督の「小説・田中絹代」。映画は田中絹代が映画女優となる頃から、田中絹代の最高作といわれる「西鶴一代女」に主演するまでを描く。市川監督は田中絹代を演じるのは吉永小百合以外にないとしてキャスティング。田中絹代と名コンビだった巨匠・溝口健二監督(映画では溝内健二)は菅原文太が演じる。日本映画初期の撮影スタジオの様子などが描かれるのも興味深い。吉永小百合ファンだけでなく日本映画を愛するすべての人にお勧めする作品。
つる―鶴―
1988年/35ミリ/カラー/93分/東宝
監督:市川崑 出演:吉永小百合 野田秀樹
貧しい百姓・大寿のもとにつるという女が訪ねてくる。そしてつるは大寿の妻となる。つるは機織り道具を使って機を織ってみたいというのだが、機を織っている間決して覗かないでくれと頼むのだった。民話「鶴の恩返し」の映画化。吉永小百合映画出演100本記念作品。数多くの企画の中から吉永小百合自身が選んだ題材で、共演の野田秀樹も吉永小百合が監督に推薦したもの。
母べえ
2007年/35ミリ/カラー/132分/「母べえ」製作委員会
監督:山田洋次 出演:吉永小百合 浅野忠信
昭和15年の東京。野上佳代の夫の滋は反戦思想を持つドイツ文学者。滋は治安維持法違反で検挙され、滋の教え子の山崎が野上家を助けるためにやって来る。佳代は小学校の代用教員となり家庭を支える。しかし佳代の実家の山口から父親が来て、滋との離婚を命じるのだった。野上照代の実話に基づいたエッセイの映画化。戦争の時代を懸命に生きる家族の姿を、吉永小百合演じる佳代を中心に描いた感動作。