おとがたり イノチノコト、忘れてはいけない物語 ~野坂昭如作「戦争童話集」より~【ぽんプラザホール】2024年
開催終了 中洲川端エリア野坂昭如作「戦争童話集」を舞台化/音と語りのセッションによる朗読劇。
『おとがたり イノチノコト、忘れてはいけない物語』第3回公演開催!
2024年11月7日(木曜日)、11月8日(金曜日)の2日間、福岡市博多区祇園の「ぽんプラザホール」にて、朗読劇『おとがたり イノチノコト、忘れてはいけない物語〜野坂昭如作「戦争童話集」より〜』が上演されます。
語りを担当するリュンコさんは、インパール作戦で戦死した叔父さんから家族に宛てられた戦地からの手紙やはがきを近年発見し、そこから着想を得て同公演を企画。2022年8月、2023年11月に続いて、今回が3回目の上演となり、現在開催に向けてのクラウドファンディングも実施中です。
今回の公演では、野坂昭如さんの「戦争童話集」より、<干からびた象と象使いの話><ぼくの防空壕>の2題を、音と語りのセッション “おとがたり” を通してお聴きいただきます。
「干からびた象と象使いの話」
<干からびた象と象使いの話>は、戦時中、日本中の動物園に命令が下された「戦時猛獣殺処分」という悲惨な事実を背景に「人間と動物の互いに思いやる愛」が伝わる童話。
「ぼくの防空壕」
<ぼくの防空壕>は、昭和18年から戦況悪化により空襲に備えて日本中に掘られた防空壕をモチーフに戦死した父の幻影と一緒に戦う少年の「父の死を認めたくない悔しさと寂しさ」に悲哀を感じる童話です。
イラストレーター・黒田征太郎さんやバンドネオン奏者・川波幸恵さんなど世界的なアーティストも参加して上演される、哀しくも美しい「戦争童話」のステージを、ぜひ会場にて体感してください。
出演
語り:リュンコ、田中冨士夫(アクティブハカタ)
ピアノ:矢田イサオ/バンドネオン:川波幸恵/コントラバス:杉泰輔
演出:持原 淳二/絵:黒田征太郎/作曲:矢田イサオ、川波幸恵
【プロジェクトの背景】
このプロジェクトは約3年前にスタート。
リュンコが実家を解体した折にインパール作戦で戦死した叔父の家族へ宛てた手紙やはがきがごっそりと出てきました。
そこで叔父と家族の手紙のやりとりから着想を得て、「戦争童話集」の中から『ソルジャーズ・ファミリー』を福岡の演出家に再構成・舞台作品に仕上げていただきました。次の年は、博多港が国内最大級の「引上港」だったことから、『年老いた雌狼と女の子の話』に博多港に引き上げられた女性のお話を織り込んでいただきました。
野坂さんの「戦争童話集」は全12 話です。全ての作品を読み終えられるよう、年に2 話ずつ大切に語り継いでいきたいと思っています。過去2回の公演は、わたしたちの思いに賛同していただき協賛や助成金もいただくなど、皆さんにご協力いただいて開催することができました。これからあと数年間のプロジェクト継続を考え、クラウドファンディングにチャレンジしています。
【過去公演来場者の声】
・はじめの朗読劇鑑賞でした。私たちの世代は戦争を経験したことがないので、朗読を聞いて、それぞれが頭の中で情景を浮かべる。このような機会がないと、この過去は簡単に忘れられてしまうものだと感じました。毎日忙しく、目の前のことしか見えていませんでしたが、今平和に生きているというありがたみを感じられました。(30代)
・戦争は、遠いもののように思っていたのですが、ひとりひとりの命がそこにあり、日常がガラリと変わってしまうことをとても強く実感しました。これからを生きる子どもたちのためにも忘れてはいけないことだと思いました。子どもたちにも聞かせたいです。これからも上演いただけたらありがたいです。(40代)
・朝鮮からの引き揚げ、小さい頃を思い出されました。つらかった7人姉妹兄弟と一緒に帰られた事、今から思えばそれだけが明るいニュースでした。素晴らしい朗読劇、ありがとうございました。(80代)