アクロス福岡シンフォニーホール「YAMATO meets Classics宮川 泰 × 羽田健太郎 二人の宇宙戦艦ヤマト」チケット好評販売中!【アクロス福岡シンフォニーホール】2023年
開催終了 天神・薬院エリア



あの「宇宙戦艦ヤマト」クラシックで蘇る。「宇宙」という壮大なテーマを表現した音楽をモチーフに創りあげられた交響曲。
海外で絶大な人気を誇る日本のアニメーション、その先駆けとなった作品「宇宙戦艦ヤマト」。
「宇宙」という壮大なテーマを“宮川泰”は音楽で表現し、その音楽をモチーフに羽田健太郎が4楽章からなる交響曲を創りあげました。
2020年に予定され、コロナ禍の中、やむなく中止になった同公演が3年の時を経てアクロス福岡シンフォニーホールにて開催。
宮川彬良の指揮で、ソリストにNHK交響楽団第1コンサートマスター篠崎史紀、ピアノに宮川知子、スキャットに林美智子を迎えてお届け致します。
父、“宮川泰”の楽曲を息子が指揮を取り、孫娘がピアノを奏でる親子三世代共演にも注目です。
『YAMATO meets Classics 宮川 泰 × 羽田健太郎 二人の宇宙戦艦ヤマト』
●出 演
指揮/宮川彬良
ヴァイオリン/篠崎史紀(NHK交響楽団 第1コンサートマスター)
ピアノ/宮川知子
スキャット/林 美智子
オーケストラ/九州交響楽団
●曲 目
宮川 泰:組曲「宇宙戦艦ヤマト」
羽田健太郎:交響曲「宇宙戦艦ヤマト」
●プログラム
– 宮川彬良&篠崎史紀トーク・ショー
– 宮川泰
組曲「宇宙戦艦ヤマト」
Ⅰ.序曲
Ⅱ.宇宙戦艦ヤマト
Ⅲ.イスカンダル
Ⅳ.出撃
Ⅴ.大いなる愛
– 羽田健太郎(作曲)/宮川泰・羽田健太郎(テーマ・モチーフ)
交響曲「宇宙戦艦ヤマト」
第1楽章 誕生
第2楽章 闘い〈スケルツォ〉
第3楽章 祈り〈アダージョ〉
第4楽章 明日への希望〈ドッペルコンチェルト〉
プロフィール
宮川彬良(指揮)Akira MIYAGAWA, Conductor
作曲家/1961年東京都出身。劇団四季、東京ディズニーランドなどのショーの音楽で作曲家デビュー。その後数多くのミュージカル・舞台音楽を手掛ける。代表作に「身毒丸」(読売演劇大賞優秀スタッフ賞受賞)、「ミラクル」(東京芸術劇場ミュージカル月間優秀賞受賞)、「ハムレット」(読売演劇大賞優秀スタッフ賞受賞)、「天保十二年のシェイクスピア」(読売演劇大賞優秀スタッフ賞受賞)、「ONE MAN’S DREAM」、「DOROTHY~オズの魔法使い~」など。また、ショーのために作曲した「マツケンサンバⅡ」 が大ブレイク、舞台音楽からヒット曲を送り出した。
NHK Eテレ「クインテット」、BS2「どれみふぁワンダーランド」、BSプレミアム「宮川彬良のショータイム」で音楽を担当し自身も出演。アニメ「星のカービィ」、「宇宙戦艦ヤマト2199/2202」、NHK木曜時代劇「ちかえもん」、連続テレビ小説「ひよっこ」、特集ドラマ「アイドル」の音楽、「第68回 紅白歌合戦」のオープニングテーマ、オーケストラ曲「風のオリヴァストロ」、「シンフォニック・マンボ No.5」など活動は幅広い。また、『コンサートはショーである』を信条に各地で精力的に演奏活動を行っている。2022年 エッセイ集“「アキラさん」は音楽を楽しむ天才”(NHK出版)を上梓。
篠崎史紀(ヴァイオリン)Fuminori SHINOZAKI, Violin
愛称 “まろ”。NHK交響楽団第1コンサートマスター。3歳より両親の手ほどきを受ける。ウルトラマン、仮面ライダーに憧れ、ゴジラや宇宙戦艦ヤマトに感動する多感な幼少期を過ごす。北九州市民文化賞を史上最年少で受賞。高校卒業後、ウィーン留学。ウィーン市立音楽院に入学。翌年コンツェルト・ハウスでコンサート・デビュー。その後ヨーロッパの主要なコンクールで多数受賞。1988年帰国後、群馬交響楽団、読売日本交響楽団のコンサートマスターを経て、1997年NHK交響楽団のコンサートマスターに就任。以来、“N響の顔”として、国内外で活躍中。CD13枚の他、ヴァイオリン小品集「MARO’s Palette」(監修)、エッセイ「ルフトパウゼ ウィーンの風に吹かれて」、「絶対!うまくなるヴァイオリン100のコツ」が出版されている。2018年4月よりNHK Eテレ「クラシック音楽館」にて案内役を務める。2001年福岡県文化賞受賞、2014年第34回有馬賞を受賞。北九州文化大使、東京藝術大学非常勤講師、桐朋学園非常勤講師、昭和音大客員教授。WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員。東京ジュニアオーケストラ・ソサイエティ芸術監督。
宮川知子(ピアノ)Chiko MIYAGAWA, Piano
桐朋女子高等学校音楽科卒業し、同大学在学中渡仏。リヨン国立高等音楽院ピアノ科修士課程を満場一致の最優秀審査員賞賛付き首席で修了。また同音学院ピアノ伴奏科においても修士を取得する。第14回 オルレアン国際ピアノコンクール入賞。また2台ピアノで第91回 レオポルト・ベラン国際コンクール最優秀賞を受賞する他、歌曲伴奏においても第10回 トゥールーズ国際フランス歌曲コンクールにて最優秀デュオ賞を受賞するなど音楽活動は幅広い。ピアノを小川道子、竹内啓子、上田晴子、テオドール・パラスキヴェスコ、フローラン・ボファール、ローラン・カバッソ各氏に、伴奏法を保都玲子、クロード・コレ、ダビッド・ゼーリッグ各氏に師事。現在、桐朋学園大学嘱託演奏員。
林美智子(スキャット)Michiko HAYASHI, Scat
東京音楽大学演奏家コース卒業。新国立オペラ研修所第1期修了。文化庁派遣芸術家在外研修員としてミュンヘンに留学。2003年国際ミトロプーロス声楽コンクール最高位。第5回ホテルオークラ音楽賞受賞。
二期会、新国立劇場を中心に数多くのオペラに出演、チョン・ミョンフン、パーヴォ・ヤルヴィなど国内外の指揮者と主要オーケストラにも共演を重ねる。またモーツァルトのダ・ポンテ三部作オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」、「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」を自らプロデュースするなど人気、実力ともに群を抜くメゾ・ソプラノとして幅広く活躍している。大阪音楽大学特任准教授。
◎宮川彬良(指揮) インタビュー(2020年時)
Q.ご自身にとって、「宇宙戦艦ヤマト」はどんな存在ですか?
A.1974年の「宇宙戦艦ヤマト」。それは僕にとって、夢と現実の接点でした。
それまでの「スーパージェッター」や「ガッチャマン」はあくまでも夢の中の話。でも「宇宙戦艦ヤマト」には明らかに「これは現実にあるかも…」と思わせる何かがデザインやストーリーなどからにじみ出ていました。だってヤマトって異星人とのファーストコンタクトを丁寧に描いた作品ですものね、平たく言うと。そんな作品他には無いじゃないですか。
Q.組曲「宇宙戦艦ヤマト」が作曲されたのが高校生ぐらいだったかと思います。お父さまの作品ということも含め、当時、この曲をどのように感じていましたか?
A.とにかく最初のTVシリーズの劇伴がカッコ良かったので、その時点で当時中2だった僕は心を奪われました。
実を言うと父がその前年まで手掛けていたアニメ「ワンサくん(手塚治虫作品)」が僕は大好きで、息子としても自慢の種でした。学校の音楽室で得意になってワンサくんのテーマをピアノで弾いていました。そのワンサくんは西崎義典氏(アニメ「宇宙戦艦ヤマト」プロデューサー)と宮川泰の第一作目ですよね。今考えると「ヤマト」も「ワンサくん」も方向性は異なれど、実に妥協の無い作品だったと思うのです。またどちらも明らかに大人が真剣に楽しんで作っていると思える作品でしたね。それが中2の僕にも良く伝わってきました。
父の仕事としては、いわゆる「SF作品」というのは「ヤマト」が初めてだったのではないかと思います。そういう意味で父にとっても新鮮で「待ってました」感の高い内容だったのではないかと思います。それがあの名作劇伴を作らせたのだと。それにしても父にこれを託した西崎義典という人は千里眼です。
Q.指揮者という立場で作品に触れたときに、曲に対する気持ちに変化などありましたか?
A.そんな父の傑作劇伴を、今度は「交響組曲」にしようと言いだした西崎さんは本当に冴えていましたね。
そもそも「交響組曲」という言葉自体、それまであまり使わない言い方だったように思います。「交響詩」か「管弦楽組曲」かですよね、クラシック界では。でもこの「交響組曲、宇宙戦艦ヤマト」は「管弦楽組曲」でもないしもちろん「交響詩」でもなかった訳です。
何かこう異分野が「交わり」「響き合う」というぐらいの、大きな発明品でした。一見チャイコフスキーの組曲の様でもあり、でもサンバだったりガットギターの泣きのソロがあったり、本当に自由でやりたい放題やっている。でも必ず泣きましたね、B面の三曲目辺りで。イスカンダル星に着いた~!という所で何べん聴いても必ず泣けました。今聴いても泣けます。
結局、西崎さんと父の作ったこの「交響組曲」はストーリーとその達成感を表していた訳ですね。しかも立体的に多重層に。ホント劇伴が芸術になってしまった。これにはやられましたね。父はね、完成したレコードを僕に聴かせながら「ここのフェルマータをもう一寸伸ばせば良かった…」とか細かい事を悔やんでいましたが、とにかくLP一枚の構成が素晴らしかった。当時僕が憧れていた「イエス」や「キングクリムゾン」「ELP」を凌ぐ様な構成力だと思ったものです。
Q.この曲の魅力、聴きどころをお聞かせください。
A.これは父が散々色んな形でヤマトのコンサートをやった挙げ句に到達した、一種のまとめ的な構成の組曲です。僕はこの形を指揮するのは初めてです。また全ての音を宮川泰本人が書いています。そこが聴きどころでもあると思っています。
Q.交響曲「宇宙戦艦ヤマト」の魅力を教えてください。
A.羽田さんの「交響曲、宇宙戦艦ヤマト」は「交響曲」という冠を戴くにふさわしい曲です。これを書かせたのも恐らくは西崎氏なのでしょうが、やはり羽田さんのやりたい事を見抜いた上での見事な采配であったと言わざるを得ません。
僕には何となく分かるのです、幼少のころからクラシックを勉強し作曲家となったのであればやはり一度は交響曲を書きたい、という思いが当時イケイケだった羽田健太郎氏の心中に沸々としていたのでしょう。そこを西崎氏に刺激されて生まれたのがこの曲なのではないでしょうか。羽田さんと西崎さんの関係までは、僕には分かりませんが、作曲者として羽田さんに白羽の矢が立った時、二十歳ぐらいだった僕は密かに対抗心と言うか嫉妬心を抱いたのでありました。ハハハ、人間なんて愚かなもんです、まあ僕にもガッツがありますから。
でも、これは僕の記憶の中の私見ですが、当時宮川泰本人も「それは自分向きの仕事ではない」と理解した上で、ほんのちょっとばかりの嫉妬心はあった様ですよ。何となく当時、僕は父の様子からそれを感じ取りました。
そんな訳でハッキリ言って僕はこの羽田さんの大作と、これまでちゃんと向き合わないというか、避けて通る様なところがありました。
今回篠崎さんとの素晴らしい御縁もでき、おまけに娘を人質にとられた様な格好で初めてこの曲と向き合います。恐らく僕にしか分からない様なたくさんの発見が待っている事でしょう。今からワクワクしています。この歳になればもう嫉妬心もありませんしね。