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イベント情報

Asian Film Joint 2021 アノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督特集:<わたし>の歴史学』【KBCシネマ】2021

2021年3月に終了を発表したアジアフォーカス・福岡国際映画祭。同映画祭が30年間をかけて築き上げたアジア映画人とのネットワークや、アジア名作映画のフィルムアーカイブといった映画資産を活用する新たな映画プロジェクト【Asian Film Joint】が始動します。

第1回目となる今回は、タイの女性監督アノーチャ・スウィチャーゴーンポンを特集します。彼女は、自身がすぐれた監督・プロデューサーであることに加え、東南アジア圏の映画に特化した製作・活動支援を行う民間映画基金Purin Picturesで共同ディレクターも務めるアジア映画界のキーパーソンでもあります。

アノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督 © Electric Eel Films

今回の特集では、日本初公開となる彼女の新作『カム・ヒア』を含む4作品を福岡のミニシアター、KBCシネマにて上映。あわせて日本から11名、タイからは監督本人を含む3名のゲストスピーカーを迎えた、全6回のオンラインフォーラムも開催。アノーチャ監督やその作品、そして現地の社会状況やアジアの映画産業まで、多様な視点から掘り深めていきます。

Asian Film Joint : Screening(特集上映)

世界各国で高い評価を集めるタイの女性監督、アノーチャ・スウィチャーゴーンポンの特集上映です。昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭での特集上映企画に新作を追加・再編した4作品のプログラムをお届けします。

アノーチャ・スウィチャーゴーンポン監督特集:〈わたし〉の歴史学

世界各国で高い評価を集めるタイの女性監督、アノーチャ・スウィチャーゴーンポンの特集上映です。昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭での特集上映企画に新作を追加・再編した3つのプログラムをお届けします。
・日時:2021年 11月22日(月曜日)~28日(日曜日)7日間 / 1日1枠(19:00〜) 
・会場:KBCシネマ(福岡市中央区那の津1-3-21)
・料金:1,500円(各プログラム)

プログラム1

『カム・ヒア』COME HERE ※日本初公開

(2021年 | タイ | 69分) 
監督:アノーチャ・スウィチャーゴーンポン

『カム・ヒア』COME HERE © Electric Eel Films

四人の男女が、タイ西部の観光地カンチャナブリへやってくる。第二次大戦下には旧日本陸軍による鉄道開発の強制労働によって何万人もの命が落とされたこの地で、四人は「死の鉄道」記念碑を訪れる。夜には船上ホテルで酒を交わしながら、かつての恋や将来のことなどについてとりとめもなく語り合う。映画はこの物語と並行して、森の中でさまよう一人の女性の姿を追う。“歴史”と切り離された若者たちが旅先で過ごすたゆたうような時間を通じて、個人の記憶と土地/国の歴史が微かに響き合う様を描く。ベルリン国際映画祭フォーラム部門出品。 

『レモングラス・ガール』 LEMONGRASS GIRL ※日本初公開(2021年 | タイ | 17分)

監督:ポム・ブンスームウィチャー
脚本・製作:アノーチャ・スウィチャーゴーンポン

『レモングラス・ガール』 LEMONGRASS GIRL

タイには「処女の女性がレモングラスの束を逆さに植えると雨が降らない」という迷信が実在する。その日も、雲行きが怪しくなり始めた映画の撮影現場で、若きプロダクションマネージャーが呼び出され、レモングラスの晴れ乞いをするよう指示される。彼女は同僚の女性たちに頼んで回るが皆に断られ、結局自らレモングラス・ガールを引き受ける羽目になる。社会における女性の役割や、人と自然の関わりを暗示する本作は、脚本をアノーチャが手がけ、撮影も『カム・ヒア』の実際の撮影現場で行われた。ロッテルダム国際映画祭出品。

プログラム2

『暗くなるまでには』BY THE TIME IT GETS DARK (Dao Khanong)

(2016年 | タイ・フランス・カタール・オランダ | 105分) 
監督:アノーチャ・スウィチャーゴーンポン
協力:福岡市総合図書館   

『暗くなるまでには』BY THE TIME IT GETS DARK © Electric Eel Films

1976年タイのタンマサート大学で、左派学生と市民活動家らの集会に警察が乗り込み百人以上もの死者を出した“血の水曜日”虐殺事件が起こる。映画はこの集会に参加していた元活動家の女性作家に、ある映画監督がインタビューする場面から始まる。並行して描かれる有名俳優やウェイトレスの物語を行き来しながら、作品は徐々に一人ひとりの人生の断片を重ね合わせ、タイの現在を浮かび上がらせていく。過去と現在、虚構と現実、記憶と空間を交錯させて、既存の映画文法をスリリングに逸脱していく演出は圧巻で、ロカルノ、ロッテルダムをはじめ世界数十カ国の映画祭で上映され高い評価を集めた。

プログラム3

『ありふれた話』MUNDANE HISTORY(Jao Nok Krajok)

(2009年 | タイ | 82分) 
監督:アノーチャ・スウィチャーゴーンポン

『ありふれた話』MUNDANE HISTORY © Electric Eel Films

事故によって下半身付随となった青年エークの介護のために、看護師のパンが雇われる。権威主義的な家長である父親と微妙な関係性で常に不機嫌なエークだったが、献身的に介護を続けるパンに対して徐々に心を開いてゆく。ある日ふたりはプラネタリウムを訪れ、エークは超新星の爆発について語り始める。象徴的な「家」を舞台とした“ありふれた日常”の物語を現代タイ社会の寓話としながら、やがて映画は宇宙と生命の神秘的イメージへと接続していく。ロッテルダム国際映画祭でタイガー・アワード(最高賞)を受賞した、アノーチャ監督の長編デビュー作。※作品に一部過激な映像が含まれます。予めご了承の上ご視聴ください。


Asian Film Joint : Meeting (フォーラム)

アノーチャ監督とその作品、そして映画の背景にあるアジアの社会状況や映画産業などについて理解を深めるフォーラムを実施します。ゲストにはこれまでの映画祭を通じて繋がってきたアジアの映画人たちを中心に、様々な分野の識者をお迎えし、計6回の講座として展開します。 
※フォーラムの登壇者は一部を除きオンラインでのご出演を予定しています。
※視聴: Youtube内Asian Film Joint チャンネルにて無料配信

①〜③
開催:11月11日(木)、15日(月曜日)、18日(木曜日)
   各回とも18:30開場/19:00開始
会場:本のあるところajiro(福岡市中央区天神3-6-8)
   ※要ワンドリンク|各20名限定
④〜⑥
開催:11月22日(月)、23日(火曜日・祝日)、27日(土曜日)
      各回とも上映終了後 20:30頃〜 
会場:KBCシネマ(福岡市中央区那の津1-3-21)

① 11/11(木) アノーチャ・スウィチャーゴーンポン入門
ゲスト:夏目深雪(映画批評家/編集者)、佐々木敦(思考家)、吉岡憲彦(前・バンコク日本文化センター所長)
各国の映画祭で高く評価される映画作家であり、東南アジアのインディー映画の制作支援を行う映画基金Purin Picturesで共同ディレクターを務めるアノーチャ・スウィチャーゴーンポン。アジアを代表する才能でありつつも、ときに実験的で難解とも評される彼女の映画作品の魅力を、お三方の識者の解説で紐解く「アノーチャ入門」をお届けします。

② 11/15(月)2564年のタイとインディー映画
ゲスト:福冨渉(翻訳家/タイ文学研究)、ドンサロン・コーウィットワニッチャー(映画評論家/プロデューサー)
2021年現在(=タイの仏暦で2564年)のタイでは、独裁的な軍事政権に対する民主化デモが長期化し、大きな社会の転換期を迎えています。デモ活動に文化的な手法や表現を活用することで、若者を中心にこれまでにないムーブメントが生まれるなか、現地のインディー映画シーンではどのような活動が生まれているのか? その現状に迫ります。

③ 11/18(木)“推し活”としての自主上映
ゲスト:井戸沼紀美(「肌蹴る光線」主催)、山下宏洋(イメージフォーラム・フェスティバル ディレクター)、今井太郎(harakiri films/Foggy)
興行収入優先で無数の新作が発表され続ける現在の映画ビジネスにおいて、これからも国内外の小規模なインディー映画やアートフィルムを観客に届ける術はあるか? その勝ち目は“推し活”的なマインドとメソッドにある、と仮定して登壇者たちの実例を交えて紹介。あなたにも真似できる(かもしれない)新たな映画の流通モデルを考えます。

④ 11/22(月)東南アジア映画の現在地
ゲスト:坂川直也(京都大学東南アジア地域研究研究所)、アノーチャ・スウィチャーゴーンポン(監督/プロデューサー)、ポム・ブンスームウィチャー(監督/プロデューサー/Purin Picturesリサーチャー)
劇場での上映直後にお届けする本フォーラムでは、前半に両監督をお迎えした作品の解説をお届けします。後半には、両ゲストも参加する映画基金Purin Picturesが毎年発表している、東南アジアのインディー映画にまつわる統計資料「SEASTUDY」を参考にして、アジアにおけるインディー映画の展望についてお話を伺います。

⑤ 11/23(火・祝)『暗くなるまでには』はどうしてこんなにすごいのか
ゲスト:樋口泰人(boid主宰/爆音映画祭プロデューサー)、宮崎大祐(映画監督)
アノーチャ監督の国際的評価を決定づけた『暗くなるまでには』。既存の映画原理を刻々と引き剥がし、観客を未知なる境地へと導く圧倒的な本作を二人の識者が徹底解説。過去に同作を爆音映画祭で上映した樋口氏と、本作を愛してやまない宮崎監督の視点を借りて、この映画が「どうしてこんなにすごいのか」について迫ります。

⑥ 11/27(土)監督どうしの感想批評
ゲスト:深田晃司(映画監督/ミニシアター・エイド基金 発起人)、アノーチャ・スウィチャーゴーンポン(監督/プロデューサー)
ともにアジアを代表する映画作家として活躍するかたわら、自身をとりまく映画状況にむけて様々な活動を行う両氏は、実は10年来の友人でもあります。上映終了直後の本フォーラムでは、深田監督からアノーチャ監督新作『カム・ヒア』への感想を皮切りとして、互いの活動の近況報告など、リラックスした公開トークをお届けします。

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